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【インタビュー】行定勲監督、構想12年… 松本潤×有村架純で究極の恋愛映画『ナラタージュ』が完成!

10/6(金) 11:21配信

トレンドニュース(GYAO)

■行定監督が、「この3人で撮りたい」と思った瞬間

――3人とは、どんな会話をしたのでしょうか。

行定: 有村さんは「聞きたいことがある」という割には、僕の話を聞くことに徹するんです。その上で、「自分はこんな恋愛をしてきたわけじゃないので、できるかわからないけれど、この役をやりたいです」って言ったんです。この時点で彼女は“女優”だなと感じました。

松本くんは「僕が演じる葉山という男は自分で作れるからいいのだけれど、彼女(有村演じる泉)からどういう風に見られている男なのかを知りたい」って言うんです。普通、俳優としては自分がどういう感情でいるかを知りたいと思うものなんです。僕は輪郭がぼけていると表現したら、そのことに食いついてきました。それで僕は、彼と一緒に作品を作っていきたいと感じましたね。

坂口くんは、非常に自分自身の解釈を明確に見つけてくれるので「思い切り自分でやりたいようにやってみて」というところから始まっています。彼が演じた小野という男は、ある種当て馬的な役柄で、結局は「いいやつ」ということで終わることが多いタイプの役なのですが、彼はそれを覆す怪演をしたと思います。それは「こうすればできる」とか「こうやってみたらいい」と言ってできるものじゃないんです。

■人に言いたくないような、心に秘めた感情を描きたい

――行定監督が待ち望んでいたキャストで挑んだ作品ですが、出来上がったものには手ごたえを感じているのではないですか?

行定: 作っている側なので、自画自賛はありません(笑)、でも、完成したものは自信があります。でも一方で、題材のテーマとしてきちんと届くかなという不安もあって。人生や恋愛って答えがないじゃないですか。しかもどうでもいい話でしょ?

――どうでもいいとは?

行定: 世の中で起きていることや世界規模で考えたら、他人の恋愛なんてどうでもいいじゃないですか。もっとすごいことや大事にしなければいけないことはたくさんある。でも僕は、そういったどうでもいいような話が好きなんです。なぜなら、どうでもいいって取り掛かるのですが、撮影している僕らがどうでもよくなくなってくるんです。同じように見ている人も、最初はひとごとなのに、2時間のあいだにだんだんと自分のことのように見入ってしまうのが、映画のマジックなのかなと思うんです。僕はとんでもなく運命的な二人を描く恋愛映画なんて全く興味がなく、人に言いたくないような、心に秘めた感情を描きたいんです。

――その意味では、前作の『ジムノペディに乱れる』と『ナラタージュ』の対比も面白いですね。

行定: 『ナラタージュ』の方が、より湿度が高い。『ジムノペディに乱れる』は裸があるので、湿度が高く見えますが、どちらかというと乾いた感じなんです。『ナラタージュ』の方が、より抑圧された感情が渦巻いているので、逆にエロティックなんですよね。

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