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獣害に加え“不心得者”も・・・ 電気柵やバッテリー狙い 盗難横行

10/7(土) 7:05配信

日本農業新聞

 三重県で、野生鳥獣の侵入防止用の電気柵本体やバッテリーの盗難が相次いでいる。JA鳥羽志摩は、管内農家に対し警告を呼び掛けるちらしを配布。転売されないように名前を書くなどの対策を呼び掛ける。埼玉県や京都府などでは自動車用のバッテリーが盗まれる被害も発生しており、盗難への警戒が必要だ。

警戒厳重に 三重・JA鳥羽志摩

 三重県志摩市の水田で電気柵7基とバッテリー6個(約35万円相当)が盗まれた。バッテリーをつないでいたコードが切られていたため、警察に通報。設置した南張農産社長の西井繁喜さん(69)は「今年は獣害がひどい。その上、盗難に遭うとは……」と肩を落とす。

 西井さんは、水田約30ヘクタールをイノシシや鹿などの食害から守るため、22カ所に電気柵とバッテリーをセットにして設置。柵には電気を流していた。

 9月中旬の巡回時に異常はなく、下旬に盗難が発覚した。バッテリーは出荷用コンテナの中に入れ、目隠しのために覆いをかぶせていた。今後は、防犯カメラの設置を検討している。

 同市では獣害が例年よりひどく、同社が管理する水田も3ヘクタールが荒らされ、玄米換算で13トンの被害に遭った。このため常時警戒心を与えようと、稲の刈り取り後も電気が流れるように設定を切り替えていた。同社取締役の山口幸雄さん(68)は「盗まれた電柵が戻ってきてくれたらいいが……」と話す。

 JA鳥羽志摩は、店頭でちらしを配って組合員に注意を呼び掛けている。対策として(1)転売されないように本体やバッテリーに名前を書く(2)固定して安易に持ち去られないようにする(3)盗難被害に遭ったら警察に届け出る(盗難情報の共有)(4)盗難補償のついている商品は登録する――を挙げる。

補償制度活用を

 三重県警によると、今年に入ってから電気柵の盗難は県内の複数箇所で報告されているという。

 電気柵メーカーの末松電子製作所は「電気柵の盗難の事例は確認している。農機や農作物と同じように、電気柵の盗難も珍しくない」と話す。

 同社では盗難対策として、電気柵の本体購入後に登録をすると1年間、盗難補償が受けられるサービスも提供している。獣害対策用品を販売するサージミヤワキも「地域によるが盗難事例は聞いている」という。

 自動車用のバッテリー盗難も相次いでいる。京都府で特に多発している八幡市では今年9月までに11件の盗難が発生。全てが屋外の駐車場で発生し、府警は国内外へ転売された可能性もあるとみている。今年に入り、北海道や埼玉県でも連続盗難が発生するなど、全国で被害が後を絶たない。

 電気柵に使うバッテリーは、専用品もあれば市販品もある。メーカーによると電圧は12ボルトが主流で、自動車用と電圧が同じ。汎用性があることや、田畑の周辺で人目に付かない場所に置かれることから、盗難への十分な対策が必要だ。

日本農業新聞

最終更新:10/7(土) 7:05
日本農業新聞