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<衆院選>民進分裂「政権選択選挙ではなくなった」上智大・中野教授に聞く

10/10(火) 21:08配信

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 衆院選が10日公示されました。解散報道後から選挙戦が始まるまで、小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党の登場により、野党第一党の民進党が分断し、枝野幸男氏が立憲民主党を新たに立ち上げるなど、さまざまな動きがありました。いったい公示前に何が起こり、国民は今回の選挙をどのようにとらえるべきか、上智大国際教養学部の中野晃一教授(政治学)に話を聞きました。

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 中野教授は、立憲民主党の立ち上げにより、今回の衆院選は安倍政権と希望の党の「政権選択選挙ではなくなった」と指摘。また政治不信を招くような選挙前の一連の動きを踏まえ、「目立つのは政治の劣化。小選挙区制度の見直し議論が必要」、有権者は「選挙後、どこの政治の影響力に期待するかで投票すべきだろう」と述べました。

前原氏は野党共闘のタガを外したかった

── 衆院選公示前、野党で大きな動きが次々起きた。どうしてこのような動きになったのか。

 2012年12月に安倍政権ができて、民進党は対決姿勢が強くなった。特定秘密保護法、安保法制、共謀罪など対決法案で、政権が採決を強行、市民社会側は反発を強め、デモや選挙参加という動きがあった。民進党はそれに引っ張られるという形で対決してきた。

そもそも民進党、特にリーダー層はもともと保守系の岡田、蓮舫、前原と続いたように、どちらかといえば中道右派の執行部体制が続いていた。それにもかかわらず最大野党の責任として共産党や社民党、自由党などと選挙協力も含めて、野党共闘をした。

だが前原さんはもともと日米安保が専門で、自民党の石破さんと近く、小池さんとも気脈を通じることもあり、非民主的なトップダウンのやり方で一気に動いてしまった。この2、3年、あるいは安倍政権が始まる前の民主党時代から党のあり方について快く思っていなかった前原さんが主導権を握ったことで、それを支える人たちも一緒に動いたのだろう。動きとしては唐突で問題が多いやり方だったが、市民運動により、野党共闘ということではめたタガがいやだ、と外れてしまったところがあるのだと思う。

もう一つ、民進党は民主党結党以来、政権交代が存在理由になってきた。そのためには小池さんと組んででも、何とかそれを実現したいというところがあったのだろう。小池人気にあやかって、仕掛けに乗っていったところがある。

小池さんは、都知事選、都議選を経て政界の台風の目になりつつあった。都知事を辞めて衆院選に出れば、1993年の細川さんのような形で首相になる目があると踏んだと考えられる。途中から失速して今は状況が違うと思うが。

── 前原氏が民進党の代表になったことが影響したのか。

 前原さんが代表になったとき、既に細野さんや長島さんが党を出て行ったこともあり、枝野さんが代表になると党内右派と、党が割れてしまうことを恐れていた。前原さんだったら党をうまくまとめられるだろうと。裏を返せば、枝野さんたちリベラルな人たちは党の団結を重要に考え出て行ったりしないだろうと、前原さん支持に回った人たちもいた。

ところが前原さんは、市民社会の後押しで共産党を含めた他党と選挙協力するということに嫌悪感を持っていて、政策的にも集団的自衛権の行使についても反対しているわけでもない。前原さんが代表になったことで一気に動いた。必ずしも代表選で前原さんを支持していた人がこのことを予想していた、期待していたということではない。

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最終更新:10/16(月) 5:48
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