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消費増税凍結にベーシックインカム、希望の党が政権を取ったら経済どうなる

10/10(火) 17:03配信

THE PAGE

 解散総選挙を前に希望の党が誕生したことで、経済政策の行方が一気に混沌としてきました。もし希望の党が政権の座についた場合、日本経済はどうなるのでしょうか。

なぜ今ベーシックインカムなのか 第3回:財源はあるのか 同志社大学・山森亮教授

 希望の党は、設立されたばかりであり、一部、民進党議員の受け入れ拒否など、極めて政治的な動きが続いていますから、経済政策の詳細が議論される段階ではありません。しかし希望の党が6日に発表した公約や、党首である小池百合子東京都知事の発言、希望の党と公認候補が交わした政策協定などを見ると、経済政策の方向性について、ある程度の推測を行うことは可能です。

 目玉となる政策はやはり消費増税の凍結でしょう。同党の公約には、「景気回復を確実にするため、2年後の消費増税を凍結します」と明確に打ち出されていますので、政権を獲得した場合には、消費増税を見送ることはほぼ確実と思われます。

 また、安倍政権との違いを明確化するため、ポスト・アベノミクスの経済政策という概念を打ち出しました(ユリノミクス)。ただ、具体的な内容については、はっきりしておらず、イメージ先行という印象は否めません。

 もうひとつの特徴は、ベーシックインカムが掲げられたことです。ベーシックインカムは、全国民が最低限の生活を送るために必要な金額を無条件で給付するという制度です。ベーシックインカムでは、最低限度の現金給付を行う代わりに、それ以外の社会福祉は原則として実施しません。全員に無条件でお金が給付されるので、原理的に不正受給という問題は生じませんし、この範囲で生活できない人に対するケアは行われませんから、過度に福祉に依存する人もいなくなります。

 ただし、この政策を実現するにはかなりの財源が必要となりますが、希望の党は消費増税の凍結をうたっています。財源として掲げられたのは企業が持つ300兆円の内部留保に対する課税ですが、現実的に考えた場合、この措置を実施するのは極めて困難です。

 そもそも内部留保は決算書上のものであり、同額の現金が余っているわけではありません。また資産に一方的に課税してよいのかという問題については激論となる可能性が高く、意見は簡単にまとまらないでしょう。企業に対する資産課税は、一般的に恒久財源にはなりにくいとされていますので、ベーシックインカムのコストを毎年カバーできるとは限らないという問題もあります。

 消費増税の実施をうたった自民党の公約と比較すると、「大風呂敷」というイメージになるのは間違いなく、もし選挙に勝った場合には、すぐに財源の問題が浮上し議論が紛糾することになるでしょう。消費増税の凍結によって、一時的には景気浮揚効果があるかもしれませんが、政策の実現性の問題や財政悪化などが懸念され、金利が上昇する可能性もあります。そうなると、景気には逆効果かもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/16(月) 5:50
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