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中部電、水力・送配電にドローン投入 電線との安全距離などノウハウ蓄積

10/11(水) 15:30配信

日刊工業新聞電子版

■業務効率化、災害時の巡視まで用途拡大

 中部電力が業務効率化のため飛行ロボット(ドローン)の活用を加速している。作業員が近づきにくい場所での設備点検や被害状況確認などに使用、時間短縮につなげる。水力発電部門では全社への水平展開を図るため、現在の5台から機数を拡充する計画。配電部門も用途拡大を検討する。電力ネットワークカンパニーのワークショップでも活用策の検討を進める。

 水力発電部門はドローン5台を愛知・三重・岐阜・静岡県で設備の状態確認や工事用説明資料作成のための写真撮影などに活用している。高所からの撮影でダムや水路設備の全体像が確認しやすく、補修工事の施工計画立案にも生かす。

 ダム背面や高さのある調圧水槽など、これまで確認が難しかった場所でも撮影可能。設備の維持管理業務の高度化、効率化や災害発生時の現地状況確認などにも活用を見込み、今後台数を増やす方針。浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)でも重大事故発生時の周辺海域モニタリングのため海上用放射線計測機を搭載したドローン2台を配備した。

 また配電部門は災害発生時の被害状況を迅速に把握するため、倒木や積雪などで作業員の進入が難しい場所の巡視に活用。運用時は本店配電部配電研修所が各支店からの要請を受け、ドローンの機体や操縦者を派遣している。今後、有効性を評価し、活用範囲の拡大を考える。

 送電部門は四日市電力センター(三重県四日市市)や諏訪電力所(長野県下諏訪町)などで鉄塔や送電線の点検や安全管理にドローン活用の試行を始めた。鉄塔上部の錆やボルトの有無などを確認する。持ち運びしやすいドローンを使い山間部などでの業務効率化につなげる。

 本格運用時期は未定だが、電線とドローンの距離などのノウハウを蓄積している。送電線から発生する電磁界環境を模擬実験した結果、送電線の電圧が275キロボルト以上なら10メートル、154キロボルト以下なら5メートルであればドローンの操作に影響しないことを確認した。ただ撮影した画像では細部の確認が難しく、どの範囲までドローンによる点検に置き換えるか見極めも必要になるという。

 ワークショップの一つ「ICT利活用チャレンジ」では風力発電設備のブレード点検などで試験導入している。ドローンのさらなる活用を進め、現場の業務効率化を図る。