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衆院選埋もれた争点 三都物語で掲げた「地方分権=憲法8章」改正の意味は?

2017/10/13(金) 10:20配信

THE PAGE

「第一声」で触れなかった小池代表

 大村知事は希望の党の主要メンバーで元環境相の細野豪志氏と親交があり、今年4月には民進党離党前の細野氏と公開の場で「8章」について意見交換し、意気投合していました。それが結党の動きや「三都物語」、公約化へとつながっていったと言えます。

 しかし、希望の党の公約では「一院制」のあり方が、大村知事の主張する「地方代表の参画」とまでは定義されていないなど、細かな違いが見られます。また冒頭で指摘したように、実際の選挙戦略は地方分権が「ファースト」どころか二番手、三番手にもなっていないのは明らか。小池代表の公示日の第一声では、一言も触れられませんでした。

 大村知事は10月11日の定例会見で「三都の共通政策は示したが、具体的な公約はそれぞれの政党が考えること」とした上で、「特定の政党の応援はしない」と明言、小池代表らと距離を置く姿勢を示しました。ただし、「三都連合で地方分権をしっかり進めていこうという活動はしていく」と補足しています。

戦後も軽視されてきた地方自治

 こうして、小池流に華々しく打ち上げられたものの、すぐに“埋もれてしまった感”のある地方分権と憲法の議論。そもそも日本国憲法の「第8章 地方自治」とはどんな規定なのでしょうか。

 8章は第92条から95条までの4カ条で成り立っています。

 第92条には「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」と記されています。ただし、「地方自治の本旨」とは何かの明確な定義はありません。そして93条以降で、議会の設置や首長と議員の選挙、財産の管理と事務処理、行政執行の権能と条例制定、地方自治特別法と住民投票などが簡潔に定められています。

 これらは明治憲法下ではまったくなかった規定だという意味で画期的でした。にもかかわらず、戦後も日本では「地方自治が軽視された」ため、実質的な中央集権体制が続いてきたと、憲法学者で一橋大名誉教授の杉原泰雄氏は指摘しています(『日本国憲法の地方自治』2014年)。

 これが地方の衰退、原発に依存する仕組みをつくり、「3・11」の原発事故や災害復興の「壁」にもなったと指摘。安倍政権下では中央の「強権政治」を進めるものだと警告します。

 ただし、その問題は憲法の規定そのものより、「憲法を運用する政治」にあるとして、憲法の求める地方自治を具体化するために研究や人材開発をする「日本自治大学」を東北につくるべきだというのが杉原氏の提言です。

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最終更新:10/2(火) 17:01
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