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前代未聞のペナルティから数日 吉田弓美子と川口大二キャディが明かす意外なやり取り

10/12(木) 16:28配信

ゴルフ情報ALBA.Net

先週の「スタンレーレディス」最終日に起こった前代未聞のペナルティを跳ね返し今季2勝目を飾った吉田弓美子と、ペナルティの発端となり、共に一躍有名人となってしまった川口大二(だいじ)キャディ。そんな2人が今週の「富士通レディス」開幕を前にプチ祝勝会を開催。お互いの胸の内を語ってもらった。

前代未聞のペナルティ乗り越え逆転V!吉田と川口キャディの2ショット

普段コース以外での行動は別だという2人。「楽しみ!」という吉田とは対照的に、川口キャディは「複雑な祝勝会だなぁ(笑)」と言いつつも「助かりました(笑)いやぁありがとうございました。本当に命拾いした」と頭を下げながら乾杯した。まずはテレビで放映されなかったこともあって、色んな選手やキャディに「どういう状況だったの?」と聞かれることが多いということで、もう一度状況を説明する。

12番でバーディを奪った吉田は、続く13番で5mくらいのバーディチャンスにつけた。そして、マークしたボールを拭いてもらおうと川口キャディに渡した。マークはそのままで、吉田は反対側にラインを読みに行く。川口キャディが、“吉田がボール位置が分かりやすいように”とマークの後ろにボールを置いた。ここまではいつもの2人のルーティンだ。

ところが、突然川口キャディがマークを拾い上げてしまった(※1)。「どうにか理由をつけようと思っても、未だに何でそんな動きをしたのか分かりません。僕はゴルフをやりますが、マークの前にボールを置いているならその癖なのかもとも考えました。ですが、ボールはマークの後ろに置いていますからね。マークの前に置いたなら何となく分かりますが…前代未聞です。拾った瞬間に“何で僕の手元にマークがあるんだろう”と思って。パッて向こう側の(吉田)プロと目が合ったら、1~2秒なんですけど時が止まりました」というのが今回の顛末だ。ちなみに横にいた同組のテレサ・ルー(台湾)もあまりのことに相当びっくりしていたらしい。

これには吉田も動揺したか、その後のパットを決めきれず13番をボギー。「言葉をかけることすらできなかった。ただただ“ごめんなさい”しかなかった」と川口キャディ。一方で吉田は別のことに考えを巡らせていた。「とりあえず色々状況を整理しました。そして出たのが、私の心境としては久々に予選通ったし、賞金ランクも優勝したにも関わらず下の方だったので、このままではシード権も危ないという思いもあって。久しぶりのチャンスだったから少しでも稼がなきゃいけない、と。ずっと予選通って迎えていたら、あそこからなぁなぁになっていたと思います。でも今の状況を考えれば、たとえ優勝戦線から離脱してもトップ10に入ったら来週に向けて違うかもしれない。だから最後まで気持ちを投げずにいられました。自分でもびっくりするくらい冷静でした」。続けて次の14番のティでこんなやりとりがあったことを明かしてくれた。

吉田:「川口さんが落ち込んでるのは分かっていました。だけど向こうから声をかけることはできないだろうと。私から何か声かけようかなと思って、14番のティで“1つ取り返しましょう”と言いました」

川口:「全然覚えてないです(笑)そこではもう(気持ちが)空っぽだったんじゃないかな。あっ、でもそう言われて、そのやりとりを思いだしてきた(笑)」

吉田:「私が声をかけたら、川口さん“よろしくお願いします”って言ったんですよ」

川口:「それしかでてこないよねぇ(苦笑)」

吉田:「あの時はぷって笑ってしまいました。10歳も年上の男性が“はい、よろしくお願いします”って(笑)でも、ペナルティの後も川口さんが自分の仕事を変わらずしてくれて、すごい助かりました。それがあったから勝てたのだと思います」

一方川口キャディはバーディを奪った最終ホールでの言葉に励まされたと話す。「18番の3打目でギャラリーの反応を見て“まぁまぁ良いところに付いたんだな”と分かって、まだボールの位置は確認できてないけど花道歩いているときに、吉田さんが“入れるよ!”って言ってくれたんです。頼もしい~って。そこで改めて“お願いします”と(笑)ちょっとだけ励まされました。行ってみたらすごく難しいラインでしたけど。良く入れてくれました。本当に救われました」。ちなみに川口キャディはペナルティ後、「1打差で負けたらどうしよう」とずっと考えていたとか。

こんなにも赤裸々に自分の気持ちを話せるのも、互いを信頼しているからこそ。「色々あったけど、2人で掴みとった1勝だと思います。今週も試合がありますし、もう次のことに目を向けています。また2人で新たな勝ち方をしたいと思います(吉田)」と最後はお互いに握手して残りの試合の健闘を誓い合った。

※1 ゴルフ規則20-1.球の拾い上げとマーク(適用部分のみの抜粋・要約)
規則により球を拾い上げたり球の位置をマークしているときに球やボールマーカーが偶然に動かされた場合、その球やボールマーカーはリプレースされなければならない。その際、球やボールマーカーの動いた原因が球の位置をマークしたり、球を拾い上げる行為そのものに直接的に結び付けられるときは、罰則はない。それ以外のときは1打の罰を受ける。

今回は、本来の位置ではないところに球を置いた状態でボールマーカーを動かしたので1打の罰を受けた。

(撮影:ALBA)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:10/12(木) 16:28
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