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無戸籍の母の子、住民票不記載 賠償請求を棄却 神戸地裁

10/12(木) 13:42配信

神戸新聞NEXT

  「婚姻中に妊娠した子は夫の子」などと推定する民法の規定「嫡出推定」により、血縁のない男性と法的な父子関係になるのを避けるため無戸籍となった30代女性(神戸市)の7歳と3歳の子2人が、無戸籍を理由に住民票の不記載を続けた同市の対応は違法として、市に計275万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、神戸地裁であった。山口浩司裁判長は2人の請求を棄却した。2人の代理人弁護士は判決後、控訴する方針を明らかにした。

 訴状によると、女性の母親は元夫に暴力を受け別居し、約1年後に別の男性との間に女性を出産。婚姻中だった元夫との子と推定されるため出生届を出せず、女性は無戸籍となった。

 女性の子も戸籍は作成できず、出生届を提出しても住民票に記載されなかった。マイナンバーの通知や就学通知なども届かなかったという。女性と子は昨年、母親の元夫が2012年に死亡したことなどにより戸籍を得た。

 子らは訴訟で「住民基本台帳法に基づき、市には出生届の通りに住民票を記載する義務があった」と主張。市側は「直ちに住民票を作成する義務はなかった」と反論していた。

 山口裁判長は判決で、市が子の出生届について、受理の可否を神戸地方法務局に照会した対応を「戸籍法や国の通達に基づいており適法だった」と指摘。その上で「市には出生届の通りに住民票の記載を直ちにすべき義務はなかった」と結論づけた。

 女性の母親は会見し、「無戸籍の人の救済につながればと期待したが、悔しい判決となった」と話した。

 女性や母親らは、嫡出推定の規定で父子関係を否定する権利を夫にしか認めていないのは男女不平等で違憲とし、国に対して損害賠償計220万円を求めた訴訟を起こしており、11月29日に神戸地裁で判決が言い渡される。

最終更新:10/13(金) 13:41
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