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なぜ外国人は京都でラーメン? 激戦区で味わう「和食」

10/12(木) 17:20配信

京都新聞

 全国有数のラーメン激戦区、京都。京料理に代表され、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「和食」とは対極にありそうだが、行列に並ぶ外国人観光客をよく見掛ける。京都でわざわざラーメンを食べるわけは?
 ■即席めんで日本の印象
 京都市内で外国人向けの観光ガイドをしているカナダ人のグレッグ・コッシュさん(38)=東山区=は、客の約3割からランチ目当てで「おいしいラーメン店はないか」と尋ねられるという。
 「和」を求めるなら懐石や、すしがあるはずだ。記者の疑問にコッシュさんは一瞬考え込んだが、納得したように教えてくれた。「日本人と外国人の和食に対する認識が違うんです。多くの外国人は、ラーメンは『和食』だと思っていますよ」
 コッシュさんの子どもの頃、日本のインスタントラーメンは食卓に上ることがあり、CMがカナダでも放映されていたという。「CMのメロディーが今でも頭に残っている。16年前に来日して初めて、元は中国の料理だったと知りました」
 ラーメンは、日本で独自の進化を遂げた。中でも京都では各店が、舌の肥えたファンの期待に応えようと試行錯誤を繰り返してきた。濃厚なしょう油だしをベースにした「京都ラーメン」が発展し、魚介だしなど新たな味も続々と誕生している。
 ■千円以下でおいしい和食
 ガイドの経験から、ラーメン人気の理由は理解できるとコッシュさん。「観光地で千円以下のおいしい『和食』を食べられるなら、安い」。のれんしかない高級店は敷居が高いが、店外に料理の見本や写真が並ぶラーメンは内容が分かるため、店に入りやすいという側面もあるそうだ。
 「週に3、4回食べるときがあります。野菜や肉などさまざまな食材でスープが深い味になる」。イギリスから京都大大学院に留学しているジェイク・ウォレスさん(24)=東山区=は、ガイドブック片手に店を巡る熱烈なラーメン好きだ。
 日英のラーメン事情は異なる。イギリスでは高級料理扱いで値段は倍くらい高く、ディナー料理としてビールなどと一緒にゆっくり味わうという。
 ■創造的な食文化
 京都をはじめ日本には、地域ごとにそれぞれのラーメンがある。「ラーメンのフードカルチャー(食文化)はクリエーティブ(創造的)だ」と話す。
 ウォレスさんと京都ラーメンの老舗「ますたに今出川店」(左京区)を訪れた。鶏ガラしょう油のうま味が強いスープとよく絡む細めの麺を、おいしそうに食べていた。「しょう油そのものは苦手だがスープにするとだしと調和し、ネギとのバランスも良い。京都のラーメンはおいしいですね」と笑顔をみせた。
   ◇
 いまや世界各国から大勢の観光客が訪れる京都。定番の有名社寺にとどまらず、近年はラーメンや路地裏の風景など、より深い所まで関心が及んでいるらしい。なぜ京都なの? この街に精通した外国人たちに尋ね、そのわけを探った。

最終更新:10/12(木) 17:20
京都新聞

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