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問われる「空の安全」 機体からパネル落下、機長ら口論…相次ぐ航空会社トラブル

10/13(金) 9:18配信

産経新聞

 先月、航空会社の安全意識が問われるトラブルが相次いだ。関西国際空港を離陸したKLMオランダ機から重さ約4・3キロのパネルが落下し、大阪市内を走行していた乗用車を直撃。また茨城県内の会社敷地に落ちていた重さ3キロの航空機のパネルは、全日空機から飛行中に脱落したものだったという。一方で、耳を疑いたくなる騒ぎも起きた。韓国・アシアナ航空の操縦士らが、飛行中の旅客機内で激しく言い争った上に機長が飲料水のボトルを投げたという。アシアナをめぐっては、副機長2人が機内で乱闘騒ぎを起こした過去がある。観光大国を目指す韓国は官民を挙げて「空の安全」に取り組まなければならないはずなのだが…。

 関西空港を離陸したオランダ・アムステルダム行きのKLMオランダ航空機から9月23日午前11時ごろ、重さ約4・3キロのパネルが落下し、大阪市中心部の国道1号を走行していた乗用車を直撃した。車は屋根がへこみ、窓ガラスが割れるなどして、運転していた病院職員の女性が110番。幸いにも、車の女性2人にけがはなかった。

 続くときは続くのだろうか。今度は全日空が先月28日、茨城県稲敷市の会社敷地内で27日に見つかった航空機のパネルは、7日に成田空港に到着した全日空機から脱落した部品だったと発表した。製造番号から特定したという。全日空と国土交通省成田空港事務所によると、7日から8日にかけ、中国から成田空港を発着した全日空便の同じ旅客機から、脱出用シューターを収納する同じ部分のパネル(重さ約3キロ)が2度脱落している。

 幸いなことに、いずれのトラブルでも死傷者はなかった。だが、2件とも大惨事になった可能性は十分にあった。上空からいきなり航空機の部品が落ちてきたら恐怖である。KLMにも全日空にも猛省を促したいし、国内外すべての航空会社には整備部門の総点検を求めたい。

 しかし、航空会社が整備面でいくら「安全性」をうたっても、飛行機を実際に動かすのはパイロットたちである。にもかかわらず、韓国のアシアナ航空の機内で信じられない出来事が起きた。韓国紙、朝鮮日報(日本語電子版)によると、韓国国土交通部(省に相当)と航空業界によると、9月20日午後0時30分に仁川国際空港を出発してイタリア・ローマに向かっていたアシアナ航空OZ561便の操縦室で、機長と操縦士が操縦の引き継ぎをめぐって激しく言い争ったという。

 同航空の長距離路線は、安全のために機長2人、副機長4人が搭乗し、機長1人と副機長1人がペアをつくり、交代しながら運航を担当する。自分の番になったA機長がB機長に引き継ぎを求めると、B機長は運航中との理由で副機長から引き継ぎを受けるよう話した。するとA機長がこれに反発し、二人が口げんかを始めたという。

 報道では、このときA機長がB機長に向かって飲料水のボトルを投げつけたとの話も飛び出したが、アシアナ側はこれを否定し、ボトルは落下したものだと説明している。ただ、いずれにしても大勢の客を乗せて上空高くを飛んでいるのは事実。常に安全意識を持って運航に当たらなければならないパイロットが飛行中に口論するのは言語道断だ。国土交通部は即座に真相調査に乗り出すのも当然である。

 このアシアナには“前科”がある。昨年12月にも、仁川空港から米ニューヨークに向けて離陸する前のアシアナ航空機内で副操縦士同士による乱闘が起きた。この騒ぎで、同機は定刻より44分遅れて出発。乗客275人は機内で何が起きているのか知らされないまま1時間近く搭乗ゲート前で待たされたという。だが、それ以上に問題なのは、乱闘を起こした一方の副操縦士をアシアナ航空がそのまま乗務させたことではないか。離陸直前に殴り合いをするほどに興奮していたのである。

 乗客の安全を第一とするならば、別の対応があってもいいはずだった。パイロットたちの精神状態は彼らでないとわからない部分もある。アシアナに限らず、世界中の航空会社はそうした面も含めて「安全」を意識してもらいたい。

最終更新:10/13(金) 9:18
産経新聞

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