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松重豊さん「北斎とジャポニスム」展の音声ガイドに

10/12(木) 12:24配信

大手小町(OTEKOMACHI)

北斎が西洋に与えた衝撃「時代の底力を感じる」

 俳優の松重豊さんが10月21日から始まる美術展「北斎とジャポニスム」(東京・上野、国立西洋美術館)で音声ガイドを担当します。映画で葛飾北斎の声を演じたことのある松重さんが、今回は日本の美術を西洋に紹介した美術店店主に扮ふんして、深みのある声で19世紀のパリに案内します。
―― 音声ガイド役は初めてだそうですね。

 いつか声がかかったらやりたいと思っていた仕事で、実際にやってみたらすごく面白かったですね。動く映像にあわせて声を入れるナレーションとは違って、絵の印象を声の表情に載せて、本物の絵の前でナビゲートできる。光栄だと思っています。

―― 今回のガイド役は、パリで日本の美を紹介した美術商、林忠正(1853~1906年)をイメージした、架空の美術店店主という設定です。

 インターネットやカラー写真すらない時代に、東の果ての日本の北斎の絵が面白いと、どうして西洋に伝わったのか。高い志を持って日本の美術を紹介した人たちがいたからですよね。今回の展示で面白いのは、西洋の画家と北斎との作品とを対比させて、そのシチュエーションを伝えていくこと。西洋の芸術家たちの見たこともない文化に対する恐れと尊敬と、そして、あわよくば構図をマネしてやろうという熱がすごい。新しいものを貪欲に吸収しようという、その時代の人たちの底力を感じます。

―― ジャポニスムの衝撃は、瞬時に情報が流れる今では考えられなかったくらい大きかったのかもしれません。どの絵が一番気になりましたか。

 ドガの踊り子と、北斎の相撲取りの絵でしょうか。力士が相撲を取ったり、バレリーナが踊ったりする場面でなく、バックショットの一瞬を切り取って筋肉の表情で見せている。写真を見慣れている現代なら、「構図」という形で視線の違いを意識できますが、そんな情報がない時代に、上から見るか、下から見るか、後ろから見るかという構図の違いが斬新だったのでしょうね。

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