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郵政選挙で造反者に刺客!“小泉劇場“がもたらしたものとは?総選挙プレイバック(3)

10/12(木) 18:28配信

AbemaTIMES

(C)AbemaTV

 戦後60年を迎えた2005年8月、日本中に大きな嵐を巻き起こしたのが、小泉純一郎総理が決断した「郵政解散」だ。AbemaTV『AbemaPrime』が、注目すべき過去の衆院総選挙を当事者とともに振り返るシリーズの第3回は、この「小泉フィーバー」に焦点を当てる。

 2001年、自身にとって3度目となる自民党総裁選に出馬、圧倒的な支持を受けて第20代自民党総裁、そして総理の座を射止めた小泉氏。「自民党を変える」という発言通り、組閣では派閥の意向にとらわれず民間からも大臣を抜擢。女性閣僚も当時としては過去最高の5人を起用した。

 長年にわたって小泉氏が訴え続けてきたのが、国が運営する郵政事業を民間に移行する改革「郵政民営化」だった。92年に郵政大臣に就任した頃から郵政事業の見直しに言及、95年の党総裁選初出馬の際にも郵政民営化を打ち出していた。そして、2003年の「小泉改革宣言」では、構造改革特区を積極的に活用することや法人課税・資産課税の抜本的見直しなどとともに、「民間にできることは民間に任せる」として、郵政民営化を党の公約に掲げた。

 しかし、総理になったとはいえ実現への道は険しいものだった。衆院を通過した郵政民営化法案だったが、反対の声は自民党内からも続出。さらに、参議院では自民党内からも多くの反対者が出たことで反対票が賛成票を上回り、“小泉改革の本丸“は否決されてしまった。採決を官邸で見守っていたという小泉氏は、「解散ですか総理?」という問いかけに頷く。記者たちからはどよめきが沸き起こった。

 その後の会見で小泉氏は「改革の本丸と位置づけてきた郵政民営化法案が参議院で否決された。言わば国会は、郵政民営化は必要ないという判断を下したわけである。郵政民営化に賛成してくれるのか反対するのかはっきりと国民の皆さんに問いたいと思う」と述べ、郵政民営化について民意を問う解散総選挙を決断した。

 しかし、この決断が、自民党を分裂させることになる。島村宣伸・農水相は「郵政民営化」そのものには賛成したものの「解散」には納得がいかず、解散を決めた閣議で辞表を提出したが罷免された。さらに、郵政民営化に反対した亀井静香氏、野田聖子氏、平沼赳夫氏、綿貫民輔氏など37人の“造反議員“たちには総選挙での公認を与えず、それどころか“刺客“候補を立てた。

 その刺客の中には、小池百合子氏の姿もあった。小泉氏は「小池さんは愛嬌があるけど度胸もある」と応援。初の女性総理候補と言われた野田聖子氏には新人・佐藤ゆかり氏が刺客として送り込まれた。さらに、大ベテラン亀井静香氏の地元・広島には、IT旋風を巻き起こした堀江貴文元ライブドア社長を自民党系無所属で擁立、激しい選挙戦を繰り広げた。

 平成の衆院選で3番目に高い投票率を記録するなど、全国民が注目する選挙となった郵政選挙は、自民党は296議席を獲得し歴史的圧勝を飾る。波乱の中、ポピュリズムを最大限に利用した“小泉フィーバー“で得た勝利。小泉氏の悲願であった郵政民営化に“有権者は賛成“という民意を示す結果となった。この年の10月、小泉氏が長年掲げてきた郵政民営化関連法案が可決し、成立した。翌年、役目を終えたかのように任期満了で総理大臣の座を退いた。日本中に嵐を巻き起こした小泉氏だが、その後の政治の混乱は今なお続いているとの見方もある。

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最終更新:10/12(木) 18:28
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