ここから本文です

2017年ノーベル経済学賞受賞、リチャード・セイラー教授の心理的特性

10/12(木) 18:10配信

ファイナンシャルフィールド

シカゴ大のセイラー教授は、経済的意思決定に影響を与える3つの心理的特性を明らかにしたことから、ノーベル経済学賞に輝きました。

3つの中身は、限定合理性、社会的選好、自制心の欠如ですが、このうち自制心の欠如は私たちの日常でも直感的に十分頷けることです。さてこれに打ち勝つにはどうすればいいのでしょうか。

3つの心理的特性が理屈では説明できない結果を生む

そもそも経済学は、すべての行動は合理的な意思決定に基づいて、すなわち利潤極大化(一番儲けが大きくなるように)動くものだ、という前提からスタートしていますが、最近それに対する異論をよく目にするようになり、特に市場全体というマクロ的観点ではなく、個々の投資家というミクロ的にみると納得させられるところです。

投資理論から私たちが知りたいのは「自分」がどういう行動をとるべきかであり、2000年以降顕著に行動経済学にスポットライトが当たっているのも尤もな話です。

3つめの「自制心の欠如」はもっとも身近な特性

このうち、直感的に合意できる「自制心の欠如」ですが、私たちが投資をしても思うように収益を獲得できない大きな障害の1つです。

今年こそはダイエットを成功させようと決意したけれど、甘いものに手が出てしまうという問題などはその典型です。セイラー教授は心理学を採り入れることによって投資理論をより現実に即したものへと導いています。

合理的な考えに基づけば、数式で算出される割高・割安の指標やさまざまなチャート上の指標で売り買いのタイミングをとらえ、それに沿って行動すればいいものを、「いやいやまだ上がる」「いや、もう売り時!天井、天井」と欲の皮が突っ張ります。

でもこの「欲の皮」をこれまでの経済学では数字に落とし込んでいませんでした。

学問的にも市民権を得た「欲の皮」とうまく付き合って資産を育てるには

そこで問題なのが、「どうやって=How」欲の皮とうまく付き合っていくのかという点ですが、「分散投資:時間分散&資産分散」これにつきます。

あまりにオーソドックスですが、投資先と投資のタイミングを「機械的に」ずらすことが恣意的なゆがみを排除する最も簡単で確実な方法という結論に行きつきそうです。



Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、社会保険労務士
MBA(ファイナンス)、キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

ファイナンシャルフィールド編集部