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徳之島ダム有効利用へ 農業発展に期待 国営かんがい事業が完工

10/12(木) 13:59配信

南海日日新聞

 国営徳之島用水農業水利事業(国営かんがい排水事業徳之島用水地区)の完工式(九州農政局主催)が11日、鹿児島県徳之島の天城町防災センターであった。国、県、地元3町の関係者ら約140人が出席。着工から21年、総事業費約590億円を投入した巨大事業の完工を祝った。県は徳之島ダムの有効利用による徳之島農業の発展に向けて、関連する県営施設設備の早期完成へ意欲を示した。

 同事業は水源の確保による農業振興を目的に1997年度に着手した。徳之島ダム(有効貯水量730万トン)は2004年に仮排水トンネル工事に着手し、ダム盛立工事や試験湛水を経て、15年3月に完成した。

 ダムと並行して総延長128キロの国営用水路や揚水機場9カ所、調整池2カ所、ファームポンド(ため池)12カ所も整備して、翌4月に供用開始。16年6月には島内で散水も始まった。今年7月に完成、今月2日に運転を開始した徳之島ダム発電所の整備で国営事業は全て完工した。

 完工式で九州農政局の石井俊道局長は「かんがい用水を利用した高収益作物の導入や地域営農を支える担い手の育成を通じ、生産性の高い畑作営農の展開が期待される。徳之島の農業がさらに発展し、豊かな地域社会が形成されることを祈念する」と式辞を述べた。

 斎藤健農林水産大臣(代読)は「地域のけん引役として整備された施設を末永く活用し、地域の特色を生かした個性と活力のある豊かな農業・農村づくりに尽力してほしい」とあいさつ。九州農政局徳之島用水農業水利事業所の寺村伸一所長が事業経過を報告した。

 来賓祝辞で、徳之島地域農業総合対策推進協議会会長の大久幸助天城町長は「徳之島は夏場に降雨が少なく、自然任せの雨待ち農業を強いられ、安定した水源確保と供給が長年の懸念だった。事業の完工で農業基盤が飛躍的に強化されて将来に大きな夢が持て、農業が発展する」と期待を寄せた。

 同事業の受益面積は徳之島の耕地面積の半分に相当する3451ヘクタール。受益地までの水を供給する県営畑地帯総合整備事業の整備面積は16年度末現在344・5ヘクタールで、受益面積の約1割にとどまる。三反園訓知事(代読)は「徳之島で畑地かんがいの効果が着実に発揮されるよう、付帯施設の早期完成に引き続き取り組む」と述べた。

 九州農政局は国営かんがい施設のうち、ファームポンドや用水路など2期地区は今年4月、受益者で組織する徳之島用水土地改良区に管理を委託した。10月1日の徳之島ダム発電所に続き、ダムや調整池など1期地区は来年4月に徳之島3町へ管理を委託する。
 散水は現在、水利用組合13組織が行っている。県大島支庁徳之島事務所農村整備課によると、県営畑かん施設の本年度末整備見込み予定面積は444ヘクタール。24年度の整備完了を目指している。

奄美の南海日日新聞

最終更新:10/12(木) 13:59
南海日日新聞