ここから本文です

OB・鈴木尚広が語る巨人。痛恨のCS進出失敗から若手育成まで

10/12(木) 11:30配信

VICTORY

巨人の若手からは、貪欲さが見えない

チーム史上初めて、クライマックスシリーズ進出を逃した読売ジャイアンツ。不名誉な“チーム史上初”はそれだけでなく、球団史上最悪となる13連敗を喫するなど今季は精彩を欠きました。かつてはリーグ不動の盟主として君臨した巨人の強さは、どうやったら蘇るのか? OBである鈴木尚広氏にお話を伺いました。(インタビュー:岩本義弘 写真:荒川祐史)

――まず、今シーズンのプロ野球の話を伺います。巨人が、チーム史上初めてクライマックスシリーズ出場を逃してしまいました、球団OBとしての率直な気持ちを。
 
鈴木 残念です。今年は大型補強をしましたが、FA選手の出遅れもあって、あまりメンバーを固定できないままでした。若手にもチャンスがあったんですけど、貪欲さが見えなかったですね。言い方は変ですけど、「どうせ結果を出しても、(彼らが)帰ってきたら出られないんでしょ」という雰囲気はあったと思います。

でも、最終的にはもちろん実力があるものが選ばれるわけですから。勝負に対するこだわり、「1軍にいたい」っていう気持ちがあまり見えない。なんだか、あっさりしているように感じます。
 
もちろん、実際はそうじゃないと思うんです。ただ、そう見えてしまう。広島は、気持ちが見えますよね。そこの違いも大きい。あれだけチャンスをもらっているのに、結果を出せないことをどう考えているのか、ってことは感じました。そして、若手が育たないのであればベテランに頼らざるを得ないわけです。
 
――今シーズン、蓋を開けてみたらそういうイメージが確かに強いですね。
 
鈴木 巨人の一番難しいところは、勝たなきゃいけないし、育てなきゃいけないこと。プロの厳しい世界にとって、(育成と結果の)両立ってすごく難しい。ベテランはプレッシャーを感じてやっています。それを、若手も感じられたか。そこがすごく大事なところかと。ここからだと思うんですよね、巨人が変わっていくためには。若い選手の台頭があるかないか。

まずは(自分たちの)位置をしっかり理解すること。広島と戦っても、すごく差を感じていると思います。そこから上に行くためには、当然モチベーションが必要だと思いますから、発奮材料にしてもらいたいなと思います。

――とはいえ2、3シーズン前は巨人にも圧倒的な強さがあったと思います。こんなに変わるものなのですか。

鈴木 それだけ、広島が力をつけてきたんでしょう。鈴木誠也がケガしたって、代わりはいっぱいいる。前田健太がメジャーに移籍して黒田博樹さんが引退しても、若い選手が台頭してくる。僕らのなかでは、広島に投手王国ってイメージはなかったんです。今じゃ10勝ピッチャーが3、4人いて投手王国になってきています。ドラフトの戦略も含め。

――広島は、若く可能性のあるピッチャーをやたら取るようになったっていうのが、印象的には10年前ぐらいからあります。もう一度投手王国を、という意図があったんでしょうね。

鈴木 やっていると思います。ですから、ドラフトはすごく大事な位置づけになってきます。ここのポジションが今足りないから、かぶらないような選手をドラフトで取る。そういう戦略が必要だと思うんですね。

――現有戦力だけでなく、長期的な視点で見た戦略の両方が必要と。

鈴木 そうです。そういったこともトータルにやっていかないといけない。選手の力だけでなく、フロントも含め。目先の勝利ではなく、長いスパンのなかでと個人的には思うんですけど、世論とは差があるかな。ファンは負けたら離れていくかもしれない。「こんな弱い巨人は見たくない」と。

――本当に強い巨人を作るための下準備が、必要ですよね。

鈴木 そうです。(そういう時期が)絶対ないと、ずっと同じ感じになる可能性もありますから。

1/3ページ

最終更新:10/12(木) 14:37
VICTORY

スポーツナビ 野球情報

MLB 日本人選手出場試合10/20(金) 13:15

Yahoo!ニュースからのお知らせ