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【社長直撃】一律の残業規制では何も変わらない。サイボウズが働き方改革異論広告で訴えたかったこと

2017/10/12(木) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

政府主導の「働き方改革」が加速している。政府は月末の金曜日を「プレミアムフライデー」とし、午後3時での帰宅を呼びかけたり、企業は決まった時間になると、パソコンやオフィスの電気を強制的に切って帰宅させたり。でも、働く現場からすると人手は足りず、仕事量は減らない。

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そんな中、サイボウズが「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。」と問うキャンペーンを始め、日経新聞に「お詫び」の全面広告を出した(9月13日付け朝刊)。

お詫びにはこうある。

「とにかく残業はさせまいとオフィスから社員を追い出す職場、深夜残業を禁止して早朝出勤を黙認する職場、働き改革の号令だけかけて現場に丸投げする職場。なんですか、そのありがためいわくなプレミアムフライデーとやらは…。

私たちが伝えたかった「働き方」とはそういうことではないのです。」

新聞広告だけではない。都内の駅などに広告も打った。「残業」「女性活躍」「イクメン」をテーマにしたアニメも制作した。

なんとも大胆な内容に大掛かりな仕掛け。反響は大きかった。特に政府主導のプレミアムフライデーへの反論については、経済界や政府からも反響があった。

なぜサイボウズはここまでして、「働き方改革」に異を唱えるのか。青野慶久社長に聞いた。

「まったく違う方向に行ってしまった」

Business Insider Japan(BI):今回、ここまでの大掛かりな広告や動画で問題提起をされた狙いは。

青野社長(青野):サイボウズは働き方改革に関する問題提起は長い事やっています。話題になったのは、3年前の「大丈夫」というワーキングマザーの動画です。みんな、働くお母さんが大変だということを知らない。ぼくも自分が育休を取り、子育てをするまでよく分かっていなかった。こんなに大変なのに世の中には知られていないから、よく分からない政策がいっぱい出てくる。だから、そこに石を投げてみようと。投げたら、バーッと広がって。だいぶ働くお母さんへの理解が進みましたよね。

サイボウズは今年創業20年なんです。そのタイミングで何をやろうか、と考えたときに、自分たちが一生懸命進めてきた働き方については、「働き方改革」がこの1、2年盛り上がっているから、ぼくらももうあんまり言うことないかなって思ったんです。

ところが、電通の事件(注:電通の新入社員が過労自殺した違法残業事件)から、働き方改革=残業削減となった。電通の社長が吊るし上げられたので、上場企業の社長がびびってしまって、とにかく残業させるなと。パソコンを取り上げ、電気を消して追い出すみたいな会社が増えてきて。それ見てまずいと思ったんです。

働き方改革って、もっと楽しいもので、ぼくらはひとり一人が自由に選択して働けるような変化を訴えてきたはずなのに、全く違う方向に行ってしまった。次は、ここに石を投げてみようと考えました。

ほとんどの会社が、内部に何らかの労働問題を抱えていて、働き方改革を始めている。でも、その働き方改革間違ってるんじゃないの、なんて言うアホな会社はないと思うんです。じゃあサイボウズでやるかと。いま日本でできるとしたら、うちぐらいかなと。

(事実、サイボウズの人事制度は、かなり先を行っている。
勤務時間や場所は、育児、介護に限らず通学や副業など個人の事情に応じて、それぞれが決める。副業は、業務や会社の資産と関係がなければ、上司の承認も報告義務もない。育児・介護休暇は、最長6年までとれる。35歳以下の社員で転職や留学をしたい人が、6年を期限にいったん退職できる「育自分休暇制度」もある。
サイボウズによれば、2005年に28%だった離職率は、さまざまな制度を採り入れた結果、4%以下にまで下がったという。)

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最終更新:2017/10/12(木) 12:10
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