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作者も吐き気を催す“エログロ”でイヤな展開!? 元祖イヤミス作家・江戸川乱歩の作品

10/12(木) 17:01配信

dmenu映画

一昔前におバカなミステリーこと、“バカミス”がはやった推理小説の世界。それが、ここ数年では映画『ユリゴコロ』の原作小説など、“イヤミス”こといや~な展開がクセになるミステリーが人気となっています。

ところで、イヤなミステリーといえば、誰か忘れてはいませんでしょうか。そう、日本ミステリー界の元祖・江戸川乱歩の作品です。中には映画化されているものもあり、その代表的な作品が、カルト映画として好事家の間で有名な『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(1969年)です。

この作品のDVDが、10月4日に発売されました。大井武蔵野館で頻繁に上映されていたのは筆者の懐かしい思い出ですが、ここでは『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』をはじめとする、江戸川乱歩のイヤミスを紐解いていこうと思います。

『恐怖奇形人間』の原作にみるいや~な展開

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』のストーリーは、乱歩の小説「孤島の鬼」と「パノラマ島奇談」を足して2で割ったもの。そこに、さまざまな乱歩テイスト……いわゆるエログロや変態性欲などがミックスされています。

「孤島の鬼」は主人公・蓑浦が、自分の髪が真っ白になってしまった由来である怪事件を綴るという物語です。恋人を密室で殺され、知人の探偵も衆人環視の中で殺されてしまった蓑浦は、自分に思いを寄せる先輩・諸戸(男性)とともに事件を追います。やがて事件は諸戸の実家がある孤島へとつながるのですが、そこには人造フリークスのパラダイスを作ろうと目論む怪人物が待ち構えているのでした……。

一部では乱歩の最高傑作ともいわれる作品で、さらにごく一部では同性愛の小説としても有名です。当時から同性愛をテーマに取り上げる乱歩のセンスには脱帽です。

一方、「パノラマ島奇談」は、売れない小説家の人見が、自分にそっくりな元同級生の資産家・菰田源三郎になり替わるというお話です。ありあまる資産を投入し、自分の夢である“パノラマ島”を完成させた人見に、破滅の影が忍び寄ってくるいや~な展開が見どころです。

中でも一番いや~なシーンは、やはり最後の“人間花火”でしょう。あまりにグロテスクなので説明は避けますが、映画では小説よりもさらに凄いことになっていて、一周回ってある意味爆笑ものといったシーンになっています。

これらを足して二で割ったのですから、『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』がどれだけ濃い映画か、だいたい想像できるのではないでしょうか。ただ、ほかにも乱歩の作品には、まだまだいや~な小説があります。

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最終更新:11/20(月) 16:32
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