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【特集】和包丁を愛するカナダ人 新世界に店を開いた訳は?

10/12(木) 15:01配信

毎日放送

来日25年のカナダ人男性が堺の包丁に魅せられて新世界で包丁専門店を開いています。人情味あふれる何でも受け入れる懐の深さに「カナダ人伝道師」は惹かれていきます。新世界で生きる魅力を取材しました。

包丁職人のカナダ人男性

新世界のランドマーク、通天閣の足元に「タワー・ナイブス大阪」というお店があります。店主はカナダ人のビヨン・ハイバーグさん(48)です。この日、店に来ていたのは大阪観光のツアーで来た外国人。でも説明を聞き終わると、何も買わずに出て行ってしまいました。

「エンジョイ!サンキュー!オオキニ!オオキニ!」

売り込みをしなくて大丈夫なのでしょうか?

「買って!買って!というより、うちの仕事は職人の仕事を紹介すること。もちろん買ってくれたら嬉しいんだけれど。大阪の伝統工芸品のひとつを紹介したい」(ビヨン・ハイバーグさん)

23歳のときに来日。商社に勤めているとき堺の包丁と出会ったことが人生の転機だったといいます。

「堺の刃物会社に勤めて、商品を紹介してもらって、軽くて錆びにくくて切れ味も経験したことがなくて」(ビヨン・ハイバーグさん)

観光客と堺の職人とをつなぐ

生活必需品がゆえに目立ちにくかった堺の包丁。丁寧に説明することで観光客たちを惹きつけています。

「あ、おー!すげえ気持ちいいこれ。欲しいのひと言ですね」(九州から来た客)

店を始めた理由はただ包丁を広めたいだけではありません。堺の職人の元を訪れて気づいたのが、職人が本当の意味でつくる喜びや使ってもらう喜びを感じているのだろうか?ということでした。

「仕事をしている職人たちは、いつも1人で何十年も包丁研ぎとかをやっていて、この包丁がどこへ行っているのか、あまり見ていない」(ビヨン・ハイバーグさん)

そこで店には観光客と堺の職人とをつなぐ工房を作ったのです。

「ビヨンが独立して5年で、私の人生はコロっと変わりました。ぼくは勝手な考えで、『相棒』と呼んでいる。私はいま69歳なんですよ。いままでの人生で一番もうかっています。それが言える職人は果たして何人いるか?」(堺の包丁職人 藤井啓市さん)

3年前には堺市から包丁を広めたとして感謝状が贈られたビヨンさん。実は、この新世界に店を構えたのも堺との繋がりがあったからです。

「大阪を見るならチンチン電車に乗ると、いろいろなものが見られる。地下鉄は便利だけど、どこにいるか周りがどんな雰囲気かはわからない。チンチン電車はゆっくりで、いろいろなところが見られる」(ビヨン・ハイバーグさん)

観光客があふれる新世界と刃物の町・堺を結ぶ阪堺電車。お客さんが包丁に興味を持ってくれたら、そのまま電車に乗るよう勧めています。

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最終更新:10/12(木) 15:52
毎日放送