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弥生、「弥生 18シリーズ」を10月20日に発売 30周年の業務ソフトが進む道は自動化による“業務3.0”

10/13(金) 6:00配信

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 弥生株式会社は12日、デスクトップ版業務アプリケーションの新版「弥生 18シリーズ」を発表した。「弥生会計 18」「弥生給与 18」「やよいの青色申告 18」などの個別パッケージを、10月20日に発売する。

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 今回発表されたのは弥生の業務ソフトウェア製品群のうち、PCにインストールして利用するデスクトップ版の製品だが、弥生では、かねてクラウドとの連携による利便性向上に取り組んでおり、弥生会計、やよいの青色申告といった会計製品では、金融機関などの明細データや、レシートなど紙証憑の画像データを自動で取り込み、自動で仕訳して会計製品に取り込む「スマート取引取込」を提供してきた。

 今回も、このスマート取引取込を強化。金融機関が提供しているAPIに、スマート取引取込を順次対応させていくことを表明している。

 弥生の岡本浩一郎社長は、「現状、明細取り込みはスクレイピングによって対応しているが、金融機関がAPIを公開し始めた。APIは公式のやり方で、よりセキュアだし、金融機関によるサービスなので信頼性が高い」と、API対応の意味を説明。銀行側の公開状況次第ではあるため、「この先、半年ですべてが切り替わるかといえば、それは現実的ではない」としながらも、可能な限り対応を進めていくとした。

 また、レシート・領収書の取込機能「スキャンデータ取込機能」を、より見やすく・使いやすく機能改善。自社のデータ保存や、会計事務所とのデータのやり取りを安全に行えるクラウドストレージ「弥生ドライブ」の共有機能も改善する。

 さらに、「弥生給与 18」とクラウドアプリ「やよいの給与明細 オンライン」の連携を新たにサポートした。「やよいの給与明細 オンラインは給与明細作成しかできない。それでいいというニーズが多くあるのは事実だが、ではそこから先の年末調整は会計事務所に任せているのがふつうだ。今回の連携により、毎月の給与計算は(やよいの給与明細 オンラインを用いて)事業者側で、年末調整は会計事務所で、という運用が可能になる」(岡本社長)。

 クラウド連携以外の機能強化では、「弥生会計 18」が、仕訳の一括置換に対応した。これは、旅費交通費を車両費に置き換えたい、雑費や未確定勘定を適切な科目へ変更したい、など登録済みの複数の仕訳に含まれる勘定科目、摘要などを一括で編集できる機能。会計事務所など、大量の仕訳データを扱うユーザーからの要望から、機能を追加した。

 「いまさら?と思われるかもしれない」と前置きした岡本社長は、「会計データや仕訳データは業務データなので、そんなに簡単に置換していいのか、という問題はあった。どういう形であれば誤りなく置換できるか、ということを会計事務所と議論した上でリリースする。プレビューできるので、置換前後を確認できるなど、工夫を凝らした」と述べた。

 このほか「弥生販売 18」で、商品ごとの在庫の予定数推移を把握可能にした。受発注ごとに、納入期日、数量、予定の在庫数、過不足数を表示し、いつ、どれだけ不足するか把握できるようにすることで、欠品の防止を支援するとしている。

 製品ラインアップには特に変更はないが、今回より新たに、クラウドサービスの「やよいの給与明細 オンライン」に、1年間のライセンスを封入したパッケージを新設し、従来のオンラインでの販売に加えて、ソフトウェアの流通経路を用いて販売を進める。

■弥生シリーズ30周年を迎え、次の戦略は?

 なお2017年は、「弥生シリーズ」が誕生してから30周年にあたる、メモリアルイヤーとなった。

 弥生ではこの30年、企業が日々発生する取引内容を自ら記帳する「自計化」を推進し、主に中小企業における会計業務の効率化に力を注いできたが、2016年からは「会計業務3.0」をキーワードとして打ち出し、さらなる自動化によって得られるメリットを訴求している。

 弥生が言う会計業務の最初の段階「会計業務1.0」は、すべてが手作業と電卓で行われてきた、会計ソフトが登場する前の段階。次の「会計業務2.0」は、会計ソフトの登場によって集計が自動化された段階だ。そして弥生では、YAYOI SMART CONNECTなどによって入力が自動化された「会計業務3.0」を、会計ソフトが進むべき次の姿として示してきた。

 岡本社長は、「会計業務3.0は立ち上がりつつあるが、業務は会計だけではない」とし、これをさまざまな領域へ広げ、「業務3.0」として推進していくとする。

 その例として、取引先との間で受注・発注、請求・支払いを自動化する『商取引3.0』、社内での給与業務などを自動化する『給与・労務業務3.0』を挙げ、これを弥生シリーズで実現していくと述べた。

 この重要なキーワードとなるのが「スマート」で、クラウドやAIによる自動化・効率化で、「事業者の中の業務が最初から最後まで自動化することを目指す」とのこと。また、事業者の中でも業務を超えたデータ連携や、外部の取引先とのやり取りを実現することでさらなるメリットが得られるとし、「コネクテッド」も重要なキーワードと話している。

 さらには今後、「業務だけでなく事業そのものを能動的に支援する」ことも計画しており、2月に設立したALT株式会社を通じた融資の提供も視野に入れ、事業を進めていく考えだ。

 「当社のコアは業務ソフト。それは変わらないが、そこにとどまることなく、事業そのものを支援する『コンシェルジュ』を目指す」(岡本社長)。

クラウド Watch,石井 一志

最終更新:10/13(金) 6:00
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