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目立つ「異業種」の金融事業参入 その背景は?

10/13(金) 11:30配信

ZUU online

JAL <9201> と、SBIホールディングス <8473> は、FinTech事業を手がける共同出資会社「JAL SBIフィンテック」を設立したと10月3日に発表した。第1弾として国際ブランド・プリペイドカード事業に参入していくという。

2017年に入り、サイバーエージェント <4751> やドンキホーテホールディングス <7532> など、異業種からの金融関連事業への参入が相次いでいる。その背景にはいったい何があるのだろうか。

■異業種の金融事業へ参入する背景

自動車メーカーとGoogleが電気自動車で競うように金融業界も他の業種との競争がはじまっている。

かつての銀行は、お金の振り込みや入出金業務を窓口で処理していたが、最近ではATM以外で銀行を使わないという人も多いのではないだろうか。ネットバンキングも発達し、振込も自宅や会社でできるようになったので、わざわざ銀行の窓口に行く必要がないからだ。また、税金などの各種支払いについてもコンビニで24時間支払いが可能なので、銀行に行く理由がなくなりつつある。

これらの変革は、銀行が人件費削減のために合理化の一環として行ってきたものだが、IT技術によって機械化や外部委託が進んだため、本来の銀行業務の必要性が相対的に低下している。

さらに最近は、電子マネーやクレジットカードの利用が増え、現金自体の流通量が減っている。現金が使われないということは、既に数字だけの世界になりつつある。数字だけならばコンピュータで処理ができるので、異業種でも比較的簡単に算入しやすい。

かつて小口支払いは現金対応が一般的であったが、その代表格である電車やバスは既に電子マネーの方が多数となっている。コンビニやスーパーも電子マネーでの支払いに対応している店舗が多い。レジでの滞留は現金の精算業務によるものが大きいので、全てが電子マネー化されれば、レジの時間短縮と人件費削減が可能になり、消費者にとっても企業側にとってもメリットが大きいからだ。

コンビニは今や社会的インフラになりつつあり、ATMもコンビニで利用するのが定着してきている。セブンが銀行業を始めると言ったとき、銀行や他のコンビニ会社は窓口業務のない銀行などやっても意味が無いと冷ややかな目で見ていたが、今となっては、セブン銀行は、2016年1~9月期に計上した経常収益612億200万円のうち9割超の565億8800万円はATMの利用に伴う提携先の金融機関からの手数料になっている。

このような状況を見て、ローソンやファミマもあわてて金融事業への参入を進めているのだ。ローソンやファミマも、銀行との提携でATM業務を行っているが、独自のサービスを提供することができず、また、手数料も金融機関に支払わなければならないので収益的にセブンには遠く及ばない。

■異業種が続々参入している

IT技術の進歩は、膨大なデータの蓄積と迅速な分析処理を行うことを可能にしている。今では当たり前になったポイントサービスだが、これは消費者にメリットを与えてリピートしてもらうという目的もあるが、それ以上に購買履歴を蓄積し、商品戦略に活かす目的がある。購買動向がわかれば、仕入れを迅速に行うことができるからだ。

また、楽天やヤフーはグループ会社を通じて、決済サービスにとどまらず、出店者向けの融資を始めている。銀行では基本的に決算書や事業計画書を提出させて融資の審査しているが、楽天やヤフーでは、決算書の提出や事業計画書の提出は不要で担保や保証人もいらない。楽天の場合、最短で翌営業日には融資が実行される。

これらを可能にしているのもIT技術の利用により自働的に与信審査をするしくみがあるからだ。リアルタイムで販売状況がわかれば、もはや決算書はいらないというわけだ。こうなってくると、銀行の融資も必要なくなる可能性がある。

■金融業界は大変革の時期に来ている

日本は人口減少により、これ以上の売上を伸ばすためには国際化は避けられない。国際化すると為替の問題が生じるが、ビットコインのような仮想通貨が国際的な信認を受けるようになると、為替レートや高コストの手数料を気にしなくて済むようになる。ドンキが金融分野へ進出するのも国際的に店舗展開するための戦略の1つといえる。

今回のJALとSBIホールディングスによる共同出資会社の設立は、国際ブランドのプリペイドカードを発行し、外貨の両替や店舗決済ができるしくみを作ることにある。このようなサービスを提供することで、JALはマイレージ会員向けに金融サービスを提要し、囲い込みと同時に売り上げ増につなげたいと考えている。SBIにとっても、JALの優良顧客の決済サービスを請け負うことで顧客開拓ができるというメリットがある。

金融業界は大変革の時期に来ている。既に事業者向け融資である「アマゾンレンディング」を開始しているアマゾンは、特に脅威になるだろう。小売りに大改革をもたらしたように、金融業界においても大改革をもたらす可能性がある。プロパーの銀行は危機意識を持って、よりよい金融サービスを提供しなければ、生き残ることが
難しいだろう。(ZUU online 編集部)

最終更新:10/13(金) 11:30
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