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「プロのHDR映像制作に応える」。4K/60p HDR対応「LUMIX GH5」の進化

10/13(金) 7:30配信

Impress Watch

 パナソニックは12日、4K/60pのHDR撮影が可能になったデジタルカメラ「LUMIX DC-GH5」について報道向けの説明会を開催し、動画撮影機能にこだわり進化するGHシリーズの特徴を解説した。

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 デジタルカメラ「LUMIX」のハイエンド機種だが、写真だけでなく動画撮影にこだわった“ハイエンド・ハイブリッドミラーレス”として展開。4K/60p記録や4:2:2 10bit ALL-Intra記録、イメージセンサー全域での4K記録、動画記録中の4:2:2 10bit HDMI同時出力(4K/60p撮影時はHDMIのみ)など、プロ向けの動画撮影機能を充実させているGH5が、新たにHDR撮影に対応した。

 HDR方式は「ハイブリッドログガンマ(HLG)」を採用。Ultra HD Blu-rayなどで採用されているPQ(HDR)方式は、撮影後のオーサリングを前提としているが、HLGはリアルタイムLUT技術を前提とし、放送規格との親和性の高さや既存のイメージセンサーでの実現性が高いことから、GH5で採用された。

 Ver.2.0では、全ての10bit記録モードでHLG設定に対応。C4K(4,096×2,160)/4K(3,840×2,160)/FHD(1,920×1,080)で、59.94Hz/50Hz/24Hz、MOV/MP4などが選べ、ビットレートも100~400Mbps、ALL-Intra/LongGOPなどが選択可能となっているが、全ての10bitモードでHLG設定が行なえる。

 パナソニックの4K HDR対応VIERAで再生するため、MP4(HEVC)記録モードもHDR(HLG)撮影に対応。ビットレートは72Mbpsで、4:2:0 10bitのLongGOP記録となる。アップデートにより、圧縮方式やアスペクトなどに関わらず、HLGでの撮影が可能となった。

 また、4KやフルHD動画記録において、4:2:2 10bit ALL-I記録モードを追加。「6Kフォト」や「4Kフォト」性能の改善や動画撮影中のオートフォーカス追従性能が向上も図られている。

 HDR対応にあわせてモニターの機能も強化した。GH5の液晶モニターはHDR非対応のため、HDR(HLG)の映像信号をそのまま表示すると、かなり暗く眠い映像に見えてしまい、画面全体のバランスがわかりにくい。新設した「HLGビューアシスト」は、[MODE1][MODE2]の2種類を選択可能とし、MODE1は、色域をRec.709に変換し、空などの明るさを重視して表示、MODE2はRec.709変換し、主要被写体の明るさを重視して表示する。MODE2の場合は、高輝度信号の確認は難しくなるが、SDR撮影時と変わらない感覚で使えるという。

 このHLGビューアシストは、液晶モニターのほか、ビューファインダ、外部HDMIの各出力表示で適用される。

 実際の撮影映像を、有機ELテレビ「TH-65EZ1000」のシネマプロモードを使って、HDRとSDRを見比べたが、違いは明白。公園の風景を敢えて逆光で撮影しても、太陽や雲が白飛びせずに色が残されており、雲の流れる様子もわかりやすい。SDRでは潰れてしまっている木陰の木々の揺れが、HDRではしっかり確認できる。今回のデモでは、SDカードから再生していたが、HLG入力対応のHDMIを備えたテレビであれば、GH5から直接HDR出力が行なえる。

 HDRに加えて、強化されたポイントが「アナモフィック動画撮影モード」。アナモフィックは、画面の横方向を圧縮して記録し、ポストプロセス段階で伸長して横長のシネマスコープ映像を実現するもの。横方向に圧縮する「アナモフィックレンズ」とGH5の組み合わせで、アナモフィック動画を撮影できる。映画のような2.35:1もしくは2.39:1のシネマスコープ映像をGH5とレンズだけで撮影可能になる。

 PLマウントやEFマウントのアナモフィックレンズをマウントアダプタを介して装着できるほか、SLR Magicからはマイクロフォーサーズ用のアナモフィックレンズも発売されている。

 従来も3,328×2,496ドットの「4Kアナモフィック」としてアナモフィック撮影が行なえたが、Ver.2.0では、GH5の6Kフォト技術を活用し、約2.3倍の4,992×3,744ドット/18メガピクセルに高解像度化した「高解像度アナモフィック」による撮影が可能になった。

 6Kフォトは、GH5が搭載した新ビーナスエンジンにより、1,800万画素の30コマ無制限連写を行なうことで「決定的瞬間を逃さず記録できる」という記録モード。6Kフォトは実質的に6Kで毎秒30コマのH.265/HEVC圧縮の動画として記録されている。この機能を動画向けに拡張し、アナモフィック撮影の画質向上に活用したのが、高解像度アナモフィックとなる。

 特に米国の映像制作関係者からのアナモフィック撮影要望が高かったことから、GH5で重点的に機能強化したという。また、従来のアナモフィック撮影中は意図したアスペクトと異なり、タテに引き伸ばされたようにプレビュー表示されていたが、意図通りのアスペクトで表示できる「アナモフィックデスクイーズ」にも対応した。

 加えて、動画撮影中にシネマスコープサイズ(2.35:1、2.39:1)や16:9、1:1などの画角を表示アシストしてくれる「ビデオガイドライン表示」も追加された。

 GH5のアップデートにあわせて、提供されたPC用アプリケーションが「LUMIX Tether」。GH5のほぼすべての機能をWindows/MacからUSB経由でコントロールできるアプリで、6K/4Kフォトや動画撮影、細かな設定変更なども行なえる。対応OSはWindows 7/8.1/10と、Mac OS X 10.10以降。

 今後のLUMIXで対応機種を拡大していく予定。ただし、動作にはUSB 3.1以降の接続が必要で、現時点では対応機種はGH5のみとなっている。

 LUMIXのハイエンドモデルとして、写真と動画の「ハイブリッドミラーレス」と位置付けて展開するGH5。米国を中心に、フォトグラファーとビデオグラファーの垣根がなくなりつつあり、写真が中心だが、映像の仕事も手掛けるといった、プロフェッショナルが増えている。こうした現場環境に応える商品としてGHシリーズが支持されているため、今後もGHシリーズは、「今後も写真と動画の両方のプロに向けて強化する方針」としている。

 なお、10月10日付で不具合を修正した最新ファームウェアVer.2.1を提供開始した。主な更新内容は以下の通り。

DC-GH5 Ver.2.1

・「省電力ファインダー撮影」機能の時間設定が1秒に設定されてしまう不具合を修正
・「記録方式」を「MP4 HEVC(AAC)」に設定した際、フォトスタイルの画質調整が-5になってしまう不具合を修正
・「V-Log Lビューアシスト」が働かなくなる場合がある不具合を修正
・「記録方式」を「AVCHD」で撮影した動画について、動画分割ができない場合がある不具合を修正

AV Watch,臼田勤哉

最終更新:10/13(金) 7:30
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