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神鋼に負の連鎖 多角経営に暗雲

10/13(金) 7:55配信

産経新聞

 性能データ改竄問題で、神戸製鋼所の成長戦略が大きく揺らいでいる。同社は経営多角化を進め、成長の柱と位置づけるアルミをはじめ、鉄鋼以外の事業も熱心に育成してきた。しかし問題が拡大するなか、事業活動への影響は広範囲に及びかねない。変化に強く、安定しやすい多角経営の強みは失われつつある。

 神戸製鋼は鉄鋼、アルミ・銅、建設機械、電力など、7事業を傘下に抱える。

 なかでもアルミ・銅事業の経常利益は、直近の平成29年3月期で120億円。電力と並ぶ稼ぎ頭だ。

 環境規制強化やエコカー普及で自動車の軽量化ニーズが高まり、鉄より軽いアルミへの需要は増している。

 神戸製鋼は32年度までの中期経営計画で、自動車を含む輸送機器の軽量化関連で1千億円規模の投資を想定。このうち確定済みの約680億円はすべてアルミ関連だ。そのアルミで受注を失えば打撃は大きい。

 川崎博也会長兼社長は12日、アルミに集中投資する戦略に変化はないとしつつも、「顧客の検証結果や意見にも左右される。影響がないとは言い切れない」と危惧した。

 しかも不正は鉄粉や子会社でも発覚し、コンプライアンス意識がグループ全体で低いことが露呈。問題を起こしていない事業も含め、全社的な信用低下は避けられない。経営陣が多すぎる事業を目配りできていないとの指摘もあり、今後は経営体制を含む戦略の抜本的な見直しを求められそうだ。

最終更新:10/13(金) 8:32
産経新聞