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ハリウッド、「性」に揺れる 女優ら20人「セクハラ被害」

10/13(金) 7:55配信

産経新聞

 ■大物プロデューサー告発

 【ニューヨーク=上塚真由】「恋に落ちたシェークスピア」や「英国王のスピーチ」などヒット作品を数多く手がけた米ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏(65)が約30年間にわたり、セクハラ行為を繰り返していたことが明らかとなり、米国内で波紋が広がっている。人気女優のグウィネス・パルトロウさんやアンジェリーナ・ジョリーさんも被害を告白。民主党支持者として知られるワインスタイン氏に、政界も距離を置き始めた。

 ◆報復を恐れ…

 ワインスタイン氏のセクハラ疑惑は、米紙ニューヨーク・タイムズが5日、女優やモデルらの告発記事を掲載して発覚。その後、米誌ニューヨーカーで3人の女性がレイプ被害を訴えるなど、被害者は20人を超えている。

 パルトロウさんは初の主演映画「エマ」の配役が決まった22歳のとき、ホテルに呼び出された。体に手を置かれて「ベッドルームでマッサージをしよう」と誘われたが、その場で誘いを断り、当時交際していた俳優のブラッド・ピットさんがワインスタイン氏に抗議したという。

 ジョリーさんも1990年代後半に、ホテルに誘われたと告白。同氏と二度と仕事をしないことを決めたというジョリーさんは、「このような女性への振る舞いはどんな分野、どんな国であれ、受け入れられない」と訴えた。

 多くの女性は、同氏からの報復や仕事を失うことを恐れ、これまで明らかにできなかったと吐露。2015年にはモデルの女性がニューヨーク市警に被害を訴えたが、2人のやりとりを記録した録音テープが存在していたにもかかわらず訴追されなかった。

 今回の報道を受け、ワインスタイン氏は8日、自身が設立した映画会社を解雇され、同氏の妻は10日、「彼の元を離れる」と述べた。ハリウッドの「公然の秘密」(米メディア)だったワインスタイン氏のセクハラ問題は、発覚直後に“沈黙”した同氏に近い民主党幹部や、人気俳優らへの批判にも発展している。

 同氏から多額の献金を受けてきたクリントン元国務長官や、長女がインターンとして映画会社で働いたことがあるオバマ前大統領は、最初の報道から5日後の10日になって非難のコメントを発表したが、対応が遅すぎると一部で批判の対象に。ワインスタイン氏の作品に出演したメリル・ストリープさんや、親交が深いジョージ・クルーニーさんもセクハラ行為を相次いで批判したものの、「本当に知らなかったのか」といぶかる声が上がっている。

 ◆トランプ氏契機か

 米国では最近、各界の有力者によるセクハラ問題が相次いで発覚。保守派の米FOXニュースの最高経営責任者(CEO)だったロジャー・エイルズ氏や人気キャスターのビル・オライリー氏が辞任し、米配車サービス最大手ウーバー・テクノロジーズでも、社内のセクハラ問題などで創業者がCEOの職を追われた。

 昨年10月には、トランプ大統領の約10年前の女性へのわいせつ発言が暴露され、同氏からセクハラ行為を受けたという女性が次々と告発する事態となった。トランプ氏の問題を受け、女性の権利向上を求める運動は高まり、セクハラという悪慣習を告発する動きが加速しているとの見方もある。

最終更新:10/13(金) 8:37
産経新聞