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<東芝>四日市半導体、新棟検討 年3000億円の投資継続

10/13(金) 21:33配信

毎日新聞

 東芝と、同社の半導体子会社「東芝メモリ」を買収する「日米韓連合」の主軸の米ファンド、ベインキャピタルは13日、主力工場がある三重県四日市市で共同記者会見し、フラッシュメモリー事業の戦略を説明した。東芝メモリの成毛康雄社長(東芝副社長)は主力の四日市工場について「新製造棟(第7棟)の建設を検討する。一番の競合相手の(韓国)サムスン(電子)を意識しなければならない」と強調した。【古屋敷尚子】

 成毛社長は2018年度以降も年間3000億円規模の設備投資を継続していく方針も表明。ベインの杉本勇次・日本代表は、東芝メモリの投資資金の調達に関して「(足りない場合は)我々が中心となって支援していく」と語った。

 東芝が東芝メモリの売却先選びに手間取っている間に、首位のサムスンは最先端の大容量メモリーの大幅増産に向けて巨額の設備投資を実施。2位の東芝以下、ライバルを引き離しにかかっている。

 対抗策を迫られた東芝は11日、四日市工場での大容量の新型メモリー生産拡大に向けて、17年度中に1100億円を追加投資すると発表。すでに決定済みの分も合わせて17年度の設備投資額を3050億円に積み上げて、サムスンを追い上げようとしている。また、岩手県内に製造工場を新設する方針も決めている。

 東芝は来年3月末までに東芝メモリの日米韓連合への売却を完了させて、債務超過を解消。株式上場廃止を回避したい考えだ。ただ、実現には売却差し止めを求めて法的措置に訴えている協業先の米半導体大手ウエスタン・デジタル(WD)との係争も障害となっている。成毛社長は四日市工場で建設中の製造棟(第6棟)の設備投資について、WDに共同実施を持ちかけていると説明。「係争はなるべく早く解決したい」と和解を目指す考えを示した。

 ◇キーワード・東芝メモリの四日市工場

 東芝が1992年に三重県四日市市に設立した半導体フラッシュメモリーの製造拠点。国内電機各社が90年代後半以降、韓国や台湾勢との競争に敗れて半導体事業から撤退する中、東芝は同工場を拠点に自ら開発したデータの書き込みが速く大容量化しやすいNAND(ナンド)型フラッシュメモリー生産に集中し生き残ってきた。

 2000年からは米サンディスク(SD)と同工場に共同投資し能力増強を図ってきた。SDが16年に米ウエスタン・デジタル(WD)に買収されたため、協業相手が変わった。現在、第3~5棟、新第2棟の計4棟が稼働。記憶容量が大きい次世代型メモリーの需要急増などを受けて、第6棟を建設中で、来夏に完工する予定。

最終更新:10/13(金) 22:00
毎日新聞