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EDGESTふたたび、「AQUOS R compact」でシャープが出した答え

10/13(金) 21:59配信

Impress Watch

 シャープは13日、スマートフォンAQUOSの新機種「AQUOS R compact」と「AQUOS sense」を発表した。

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 フラッグシップ「AQUOS R」シリーズ第2弾となるコンパクトモデル「AQUOS R compact」は、シャープがこだわってきた3辺狭額縁デザイン「EDGEST(エッジスト)」を2年ぶりに採用したモデルでもある。

□なぜシャープは一度EDGESTを捨てたのか

 シャープは2013年に「EDGEST」を発表。その後のスマートフォンで流行となる3辺挟額縁デザインを他社に先駆けて市場に投入した。ところが、2015年以降、EDGESTデザインは封印された。2017年春に発売された新たなフラッグシップ「AQUOS R」もEDGESTデザインを採用していない。

 コアなファンが多いとされるEDGESTデザインだが、実利用の面において課題があったという。1つには、前面のほとんどをディスプレイとするということは、必然的に四角い形になるということ。スマートフォンAQUOSの商品企画を統括する小林繁氏は「角張って持ちにくいという不満の声があった」と語る。

 加えて、以前のEDGESTデザインでは、インカメラは前面の下部にあった。上部に配置している他社のスマートフォンと比べ、やや下の位置から撮影することになるため「鼻の穴が大きく写る、下ぶくれが目立ってしまうという声があった」(小林氏)という。

□フリーフォームディスプレイで蘇るEDGEST

 これらの課題を一気に解決するものとして、シャープが投入したのが、新開発の「IGZOフリーフォームディスプレイ」だ。これは、角形だけではない、自由な形状に加工できるという特徴がある。

 IGZOフリーフォームディスプレイを搭載したことで、丸みを帯びた持ちやすい形状と大画面化を両立。さらに、切り欠きを作ることで、上辺を切り詰めつつ、インカメラの上部への配置を実現した。このデザインをシャープは「EDGEST fit(エッジスト フィット)」と名付けている。

 切り欠きのある上辺には、一般的なアプリではステータスバーが表示される。ホーム画面やシャープ製のアプリ、写真や動画の再生時には、フルスクリーンでの表示も可能だ。

 さらに、インカメラをディスプレイ内に配置する形となったことで、スマートフォンでの自分撮り(セルフィー)にありがちな「視線ズレ」が解決できるという。視線ズレとは、ディスプレイを見ながらセルフィーを撮ると、カメラに目線が合わないこと。ディスプレイ内にカメラがあれば、この問題は起こりづらい。加えて、「アイキャッチセルフィー」という撮影機能を新たに搭載し、カメラに自然に目線が向くような工夫を施した。

□デザインありきのディスプレイ開発へ

 小林氏は「AQUOS R」発表時に本誌のインタビューにて、「『EDGEST』は『EDGEST』で、コアなファンがいらっしゃるデザインですし、私どもはそこに対しても答えを出していかなければいけません。狭額縁が悪と言うわけではないと考えています」と語っている。今回、その答えが「EDGEST fit」という形で示された格好だ。

 小林氏は「フリーフォームディスプレイはデザイン革新デザイン開発だと信じている」と言う。これまでのスマートフォンでは、ディスプレイの形状にあわせてデザインされてきた。

 「フリーフォームディスプレイがあることで、こうあるべきというスマートフォンのデザインを設計し、その形にあわせたディスプレイを開発できる。ディスプレイメーカーのシャープならではの強みだ」(小林氏)

 なお、同じフラッグシップの「AQUOS R」の次世代でフリーフォームディスプレイを採用するかという質問には、明確な回答は示されなかった。小林氏はこの質問に対し、「今回はAQUOS R compactを最高のものにするためにEDGEST fitを採用した。このデザインは実はコンパクトの方が相性がいい」と語っている。

□フラッグシップにふさわしい基本性能

 「AQUOS R compact」のキャッチコピーは「AQUOS史上最強のプレミアムコンパクト」。フリーフォームディスプレイだけでなく、AQUOS Rに準じた基本性能を搭載している。

 ディスプレイは120GHz駆動に対応する「ハイスピードIGZO」で、なめらかなスクロールが可能だ。フルHD+に解像度を高めており、デジタルシネマ(DCI)規格をカバーする広色域の表示に対応する。

 ディスプレイは製造時に1枚1枚色域、コントラストがチェックされ、本体側でディスプレイの個体差に応じた補正が施される。ディスプレイの個体差に応じて、65536通りの補正を適用し、安定した画質を担保しているという。

 チップセットはSnapdragon 660。3GBのメモリー(RAM)では従来製品より2倍の高速というLP DDR4X規格を採用した。これはメモリーへの伝送データ量が増す120Hz駆動時に威力を発揮するとしている。

 高速充電ではUSB-PDとQuick Charge 3.0をサポート。こまめな温度制御をする機構を搭載し、電池劣化を抑えたという。OSは出荷時から最新のAndroid 8.0 Oreoを搭載し、発売後2年間で最大2回のOSバージョンアップも保証される。

■“新定番”のミドルレンジ「AQUOS sense」

 2017年秋冬モデルとして登場するもう1つの機種「AQUOS sense」は、ミドルレンジモデルだ。機能性と使い勝手の良さにフォーカスして開発された。

 小林氏は「なんとなく持って心地いいと思える」デザインで、スマートフォンの性能にこだわらないユーザーでも、安心して使えるモデルと紹介した。

 5インチ・フルHDのディスプレイや3GBのメモリーを搭載。防水や指紋認証にも対応する。ミドルレンジにしては珍しく、2年間で最大2回のOSバージョンアップも保証される。auでの価格は一括3万2400円(税込)となるなど、スペックの割に低価格な点も特徴となる。

 今後、「AQUOS sense」は、“機能を洗練させた新定番”として、シリーズ化。AQUOS Rシリーズと並ぶ2大シリーズとして展開していくという。CMなどでは「青い真円」をモチーフとして、安心さや洗練されたイメージを訴える内容で展開される。

■スマホケース拡充へ「DESIGN FOR AQUOS」開始

 小林氏が「One more」として発表したのは、AQUOS向けのスマートフォンケースの拡充。1つは純正の曇りガラス風ケース「AQUOS Frosted Cover」を新発表の2機種にも用意するというもの。

 もう1つは、「DESIGN FOR AQUOS」プログラムだ。ケースメーカーと協力し、AQUOS対応のケースを多数ラインナップ。パッケージには共通デザインの帯をつけることで、売り場で見つけやすくする。現在6ブランドが協力メーカーとなっており、2機種向けに230種類のケースが提供されるという。

ケータイ Watch,石井 徹

最終更新:10/14(土) 2:52
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