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【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・Sick.、「ここで止まるつもりはない」

10/13(金) 18:08配信

BARKS

10月16日(月)に開催のBARKS主催ライブイベント<千歌繚乱vol.14>に出演するSick.は、関西を中心に活動しているバンド。ハードでテクニカルなサウンドと、激情型の歌詞が魅力だ。

◆ミュージックビデオ・アーティスト写真

Sick.は惜しくも11月1日(水)に FAN-J twiceで開催される<Sick.1周年記念主催「Screaming inside can kill.」>にて吏(Pianoforte)、Avel(B)、豪(Dr)の3名が脱退、活動休止することが決定している。このインタビューでは改めて彼らの活動を振り返るとともに、活動休止に至った心境、各々の今後について迫ってみる。

※本記事は10月16日(月)に渋谷REXで開催される<千歌繚乱vol.14>において、来場者限定で配布される「千歌繚乱 ARTIST BOOK」掲載のインタビューの一部を事前に公開するもの。「千歌繚乱 ARTIST BOOK」ではメンバーへの一問一答アンケートなど、より深い内容が掲載されている。

   ◆   ◆   ◆

■内なる自分と向き合う音楽

――残念ながらあと1カ月ほどで活動を休止してしまいますね。ここでは改めてみなさんの音楽的ルーツから振り返っていきたいと思います。

詩季(Vo):僕はいとこがヴィジュアル系バンドをやっていて、それがバンド活動のルーツになっています。好きだったのはgirugameshとかDELUHIなんかの男っぽい激しいバンドでしたね。

風輝(G):僕がバンドを始めたのはヴィジュアル系ではなくロック界隈で、その次に3年くらいヴィジュアル系バンドを。そのバンドが解散してからSick.を始めました。

豪(Dr):僕はAvelくんと一緒にラウドロック界隈でバンドをやってて、Sick.で初めてヴィジュアル系界隈にきたって形なんです。

Avel(B):豪と一緒です。

吏(Pianoforte):僕は豪に誘われてSick.に入ったんですけど、もともとDIR EN
GREYなんかが好きだったんです。

――Sick.はヴィジュアル系とラウド系が合わさった感じだと思っていましたが、それぞれのルーツを知ると納得です。Sick.のバンドコンセプトは?

詩季:自分と向き合うこと、をテーマにしています。

風輝:Sick.というバンド名も、実は略称なんです。

――病気という意味のSickから来ていると思っていました。

詩季:それが実は、“すっぱい”のS、“いんげん豆”のI…。

風輝:うるさい(笑)! 正しくは「Screaming inside can kill」の略です。

詩季:それに、病気という意味のsickをかけてます。僕、結構病んでるというか。夜とか窓見てるようなタイプなんで。

吏:…窓ってなんやねん。硝子見てどうすんねん。その窓空けて!

風輝:僕も網戸を見てもの思いにふけりますね。

豪:僕は天井の木目とか見てもの思いにふけるタイプです。あと壁のシミとか。

Avel:ほんとにすぐ会話が脱線する! どうでもいいねんそんなネタ(笑)!

――アーティスト写真から想像していたイメージと、実際に話してみた印象がまったく違いますね(笑)。曲はどのようにして作っていましたか?

風輝:ライブした日の夜なんかにぱっと作ることが多かったですね。

詩季:だいたい僕が「こんな曲欲しいな」っていう案を出して、そこからみんなでライブを振り返りつつ「この曲とこの曲の間にこういう雰囲気の曲があったらいいよね」という話し合いをして作っていました。アレンジは全員でしますね。

――それぞれ印象に残っている曲は何ですか?

詩季:「Voice.」ですね。“どれだけ自分が声を枯らしても、あなたには伝わらない。でも誰かには届きますように”という、僕自身の気持ちを歌った曲です。

豪:僕は「Rain.」かな。一番最初にできた曲なんで、思い入れがあります。

吏:「A.S.B.」は初期からあった曲でライブでも盛り上がるしずっと気に入ってたんやけど、やっと3rdミニアルバム『PhAntom』に入れることができて嬉しかったなー。

Avel:「Lost.」これは“浅はかに楽しい曲を歌う人ではない”という、Sick.の決意表明のような曲です。やるせない気持ちを歌うSick.っぽい曲だなと思います。

風輝:僕は「Lux.」がこれまでのバンド人生の中での最高傑作だと思ってます。たしか4時間くらいで作った曲なんですが、今後これ以上のものができるのか不安になるくらい。あとミュージックビデオの撮影がめちゃくちゃ過酷だったからその印象が強い…。

詩季:やばかったねー。「Lux.」のミュージックビデオは富士山の近くでロケしたんですが、マイナス8度の中撮影したんですよ。前日に雨が降ったせいで下の落ち葉も全部凍ってるのにそこで何回もこけるシーンを撮ったりして…翌日インフルエンザになったの覚えてる。

――Sick.のミュージックビデオはかなり世界観がありますよね。

詩季:ひとつひとつのストーリーをこだわって作っていますね。大まかなストーリーは僕が作るんですが、使う小道具一個にしても、これにどういう意味をもたせるかっていうことをみんなでひとつひとつ考えて撮影していました。

風輝:これまで出してきたミュージックビデオで、めっちゃ暑い、めっちゃ寒い、めっちゃ暗い、めっちゃ怖い、全部経験しました。落ちたら死んじゃうところでロケもしたなあ。

Avel:「PhAntom.」の撮影のとき、詩季さんが大まかなストーリーを出して、他のみんなで徹夜で細かい部分の打ち合わせをしてたんです。打ち合わせの間、詩季さんは横でダーツしてて嫌な予感してたんですが、案の定朝の五時くらいになって急に「やっぱりこうしよう!」って全部覆されたの覚えてる。さすがにあの時はしばいたろか、ってなりましたね(笑)。

詩季:…いや、まぁ、よりいいものを作るためやんか(笑)!

――ミュージックビデオにも、アートワークにもよく仮面が登場していましたが、あれの意味は?

詩季:仮面は、“自分の心を隠す”というモチーフです。バンド名の「screaming inside can kill」というのも内から叫ぶっていう意味で、仮面はバンドそのもののテーマに直結しています。

――なるほど。ライブもまさに“内から叫ぶ”というような言葉がぴったりな、感情的で激しいステージですよね。

詩季:やりたい放題やってます。自分でも何しだすかわかんない(笑)。

風輝:ギターソロを弾いてるときに、ミュートされたりするし詩季さんはほんと自由…。

豪:僕も感情に任せるタイプのドラマーなんで、ドラムセットにのったり結構激しいステージングしてます。ちなみに吏とAvelがシンバル押さえてミュートしてきて、スネアしか鳴らなかったこともある。

Avel:僕も見た目に反して感情に任せたプレイをしていますね。毎月ストラップ切ってて、もはやストラップ切り職人。

――感情的で自由なのがSick.のライブの魅力なんでしょうね。

Avel:ヴィジュアル系界隈ではあまり見ないタイプのステージングかもしれません。そのせいか、結構海外からのファンも多くて。フランスからわざわざ飛行機でライブに来てくれるファンの方もいます。

――そのような状況の中で、活動休止を決めたのにはどんな理由があったのでしょうか。

詩季:まぁ、簡単に言うと見てたものが違ったのかな。各々が求めてる理想が違っていた、それだけです。

吏:今、Sick.はとても大事な時期です。ミニアルバムも高評価をいただいてライブの本数も多くて怒涛の日々の中、“ちょっと違うな”と思うことがあってもこなしていくしかなくて。でもこれからもっと大変になっていくのに、“違うな”と思うことがあったらこれからどんどん苦しくなるんじゃないかって思って…。

Avel:Sick.のことを重く、大事に考えているからこそ、僕たちは脱退を決めました。

――活動休止前最後のライブになる<Sick. 1周年記念主催「 Screaming inside can kill. 」>についてはどのようにお考えでしょうか。

詩季:しんみりするのは抜きで、この日は単純にSick.の一年の集大成を見せる日。会場も一年前と同じ場所ですし、一年前の自分たちよりいいものを見せられるかどうかを考えています。来てくれた人に「活動休止してもこいつらは大丈夫だな」って思わせたいですね。メンバー全員いいプレイヤーなんで、離れても各々が絶対どっかで活躍してくれる。その「どこにいっても通用するよね」っていうのを見せられるライブにできたらいいなと思います。

風輝:詩季が言ったのにプラスして、現体制でできる最後のライブだし、いろんな意味ですごく大事な日になると思います。

Avel:脱退する僕らにとっては、今までSick.としてやってきた曲ができる最後の機会なんで、どの曲もこれまでで一番のパフォーマンスとクオリティで表現できたらなと思っています。自分のためにも、見てくれる人のためにも。

豪:個人的には、このライブ終わったら死んでしまうくらいの意気込みでドラムを叩いて、その熱意をお客さんに届けれたらなって思います。

吏:一年通してどれだけ成長できたのかを見せれる最高の場だと思うので、ファンの方には感謝の気持ちを伝えれたら。

――これまでの活動で印象に残ってることは?

詩季:ちょうど一年前の始動ライブです。あの日はステージに仮面を飾ったり、出演してくれるバンドさんについてコメントを流すとか、すごいこだわったんです。後にも先にもあれが一番良かったライブだなと思います。

風輝:バンド人生単位で考えた時、一番勉強になったなって思うのはいいミュージックビデオを作ろうと思ったらとても過酷なんだということ。先にも言いましたが、たいていの大変なことが経験できてよかった。壮大に録ろうとしたりこだわればこだわるほど、危険も伴うし大変なんだと知れたのは大きな糧になりましたね。

豪:ライブの景色は一生忘れません。僕はヴィジュアル系バンドをやったのがこれがはじめてで、真剣にやったバンドもこれが初めて。お客さんが僕が知らないノリをしてて最初はすごいカルチャーショックでした。でもお客さんの熱量のすごさとか、一体感とか、ドラム台から見るあの景色は、永遠に残り続けると思います。

Avel:僕も前のバンドでやってたのは「見ろ、聴け、かっこいいだろ!」っていう意識だった。でもこのバンドではお客さんも一緒になって全員でライブしたなって。それが印象に残ってます。

吏:僕はライブとかミュージックビデオとかそういうのよりももっと日常な…。例えば誰かが「あのときさ」って言えば「あぁそんなこともあったな!」と話が盛り上がるとか、こいつらとはどんな話も通じるんですよね。そういう仲間ができたということが、一番バンドをやっていて良かったと思うことです。移動中の車中での会話とか、スタジオに入ったときとか、今思えば全部にひとつひとつ意味があったんだなと感じています。

――いったん脱退、活動休止をしますが、みなさん音楽活動は続けていくんですよね。

詩季:はい。誰も引退はしません。

――Sick.は詩季さんと風輝さんだけになりますが、活動休止後の予定は?

詩季:曲の雰囲気をちょっと変えようかなと思っています。これを取り入れたら絶対にいいなっていうものが一個確立しているので、いろいろ準備も進めています。早くあたらしい新しいSick.を見せたいというか、楽しみです。

風輝:11月1日をもってSick.は2人になってしまいますが、止まるつもりはないんで心は離れないで欲しい。今後とも応援よろしくお願いします。

豪:今後のSick.に、乞うご期待!

吏:次、いつ顔見れるのかまだ現時点ではわからないから、今のうちにSick.のライブを見に来てください。<千歌繚乱vol.14>もぜひ。

Avel:そう、残りの期間もよろしくお願いします。Sick.もまた戻ってくるし、僕らも新しい彼らに期待しています。そしてもし良かったら、抜けていくメンバーのことも忘れないでください。

取材・文◎Yoko Hattori(BARKS)

<千歌繚乱vol.14>
日時:2017年10月16日(月) 開場17:00/開演17:30
開場:渋谷REX
出演:Sick./ZERO MIND INFINITY/ハクビシン/まみれた/未完成アリス/ラッコ
料金:【先行チケット】3,500円 【一般チケット】3,800円 【当日券】4,000円

チケット受付スケジュール
9月12日(火)12:00~10月15日(日)
チケット購入ページURL:
[イープラス]
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002235976P0030001

3rdミニアルバム『PhAntom.』
2017年9月13日発売
【収録曲】
1.PhAntom
2.Under.
3.A.S.B
4.Pandemic.
5.Monster.
6.Cinema.

<Sick.1周年記念主催「Screaming inside can kill.」>
11月1日(水)心斎橋FanJ twice
OPEN 16:30/START 17:00
ADV ¥3500/DOOR ¥4000(共にD別)

【CAST】Sick.
シェルミィ/IGGY/DIMLIM/Leetspeak monsters/CANIVAL/DIEALO
O.A タソガレニ鳴ク。
【チケット】
A. e+(10月1日~発売)
B. バンド予約
C. 当日券
【企画・制作】(∀)RECORDS

最終更新:10/13(金) 18:08
BARKS