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失明乗り越え前進「心の眼鍛えたい」 前橋の小暮さん 懸賞論文で第2席

10/13(金) 6:01配信

上毛新聞

 都内の財団が公募した懸賞論文で、前橋市日吉町の小暮愛子さん(39)が書いた「心眼」が第2席に選ばれた。病による失明の苦悩を乗り越え、前向きな心境に至った自身の歩みをつづった。「読んだ人の心に残りうれしい」と、受賞に笑顔を見せる。

◎「挑戦したいことがたくさんある」

 論文は教育振興事業を行う北野生涯教育振興会(東京)が「変化に挑む」というテーマで募集した。全国から473編が寄せられ、小暮さんを含む3人が第2席に選ばれた。

 小暮さんは10歳で視野が徐々に狭まる網膜色素変性症と診断された。高校を卒業し、心理学を学ぶため米国に留学したが、現地で病状が急速に進行し、左目を失明した。

 やむなく帰国することになったショックや、いずれ右目も失明するのではないかという恐怖で、ふさぎ込む日々が1年ほど続いたという。

 転機となったのが友人の紹介で知り合った夫、賢也さん(38)との出会い。優しさに触れ「1人で頑張らなくていいんだ」と思えるようになった。

 障害への思いも変わった。以前は抵抗があった障害者手帳の交付を受け、白杖を使うようになった。「弱視の頃はできないことが増えていくばかりだったが、坂道を一番下まで転がり落ちたら、できることが急に増えていった」

 27歳で右目の視力も失った。現在は小学生2人の子育てに賢也さんと奮闘する。高校時代に熱中した空手を2年前に再開。障害者の全国大会で優勝するまでに上達した。

 論文では自身の体験を踏まえ「眼(め)で見えることは小さなこと」と指摘。「物事の真実の姿を見抜く眼、『心眼』を鍛えたい」と締めくくっている。

 「これから挑戦したいことがたくさんある」と小暮さん。日々の気持ちを、これからも表現したいと考えている。

最終更新:10/13(金) 6:01
上毛新聞