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IUCN調査始まる 自然遺産候補地を視察 奄美大島

10/13(金) 13:53配信

南海日日新聞

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島県、沖縄県)の世界自然遺産登録の審査へ向けた国際自然保護連合(IUCN)の現地調査が12日、鹿児島県奄美大島で始まった。専門家2氏が19日まで、両県の候補地4島の推薦区域などを視察。地元の自然保護、観光関係者らとの意見交換も予定している。

 環境省によると、来島したのはIUCN世界遺産科学アドバイザーのバスチャン・ベルツキー氏とIUCNアジア地域事務所アジア資源グループ長のスコット・パーキン氏。両氏は生物多様性の保全や保護管理の専門家で、ともに鹿児島、沖縄両県の推薦区域を訪れるのは初めて。

 両氏は11日に来日。12日午後、沖縄・那覇から空路奄美大島入りした。奄美市笠利町の奄美空港ロビーでは、関係者らが横断幕を掲げて歓迎した。同日夜は国の特別天然記念物アマミノクロウサギなど希少な野生生物を観察するため、森に繰り出した。

 調査は13日、15日に奄美大島、14日に徳之島で実施。沖縄県では15~16日に沖縄島北部、17~19日に西表島を訪れる。環境省や県の担当者、有識者らが同行し、遺産の価値や希少種の保護状況、野生化した猫(ノネコ)やマングースなどの外来種対策について説明するという。

 希少種の生息情報が明らかになるなど環境への影響を避けるため、具体的な調査地は公表していない。

 IUCNは国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関。現地調査の結果などを踏まえて来年5月ごろ、ユネスコに評価報告書を提出する。(1)登録(2)情報照会(3)登録延期(4)登録不可―の4段階で示される評価を踏まえて、同年夏ごろに開かれる世界遺産委員会で登録の可否が決まる。

 政府は今年2月、登録の推薦書をユネスコに提出。候補地4島の推薦区域は▽奄美大島 1万1544ヘクタール▽徳之島 2434ヘクタール▽沖縄島北部 5133ヘクタール▽西表島 1万8835ヘクタール―の計3万7946ヘクタール。

 それぞれの島では、大陸との分離・結合を繰り返した地史などによって生物が独自の進化を遂げ、多様な固有種が生息・生育している。アマミノクロウサギやヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコなどIUCNのレッドリストに記載された絶滅危惧種も多く、遺産の価値として「生態系」「生物多様性」を挙げた。

 2016年4月に西表島のほぼ全域に国立公園が拡張されたのに続いて、昨年9月に沖縄島のやんばる国立公園、今年3月に奄美群島国立公園が誕生。登録の前提となる厳格な自然保護体制が整った。登録されれば、国内では白神山地(青森県、秋田県)、屋久島(鹿児島県)、知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)に続き5番目となる。

奄美の南海日日新聞

最終更新:10/13(金) 13:53
南海日日新聞