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ロードファクターの真実 「ローカル線は空いていなければならない」

10/13(金) 11:10配信

ちばとぴ!チャンネル

このあいだ行われた「みんなでしあわせになるまつり in 夷隅」の時には、一部の列車で通勤電車並みの混雑が起きていたようです。(いすみ鉄道 社長ブログチャンネル)

私がいすみ鉄道の社長に就任したときに打ち出した公約の一つが、「ローカル線は空いていなければならない。」というものがありますが、「こんなに混んでるとはけしからん。」という話が伝わってきました。

まあ、確かにイベントなどをやると、一時的に、一部の区間で大混雑することがありますし、春の菜の花の季節には朝夕のラッシュに近い状態になることがあります。

そういう特別な時期や期間は混み合うことはお許しいただきたいと思うのですが、やっぱり今でも「ローカル線は空いていなければならない。」というポリシーは変わりません。

なぜなら、自分がローカル線に乗りに行ってギューギュー詰めだったらがっかりするからです。

駅弁とお茶やビールを買って列車を待っている時に、ローカル列車がホームに入線してきます。「さあ、乗りこんで駅弁を食べるぞ。」という時に、車内が混んでて、座る座席が確保できなければ、買った弁当はどこで食べたらよいのでしょうか。

幻滅ですよね。

だから、私は、「ローカル線は空いていなければならない。」と思うわけでして、空いていてこそ、ローカル線の旅の楽しみが味わえると考えているのです。

ところが、こんな当たり前の感覚が、「経営者としてどうなんでしょうか?」と疑問視する人も多くいて、ともすれば「あいつは何を考えているんだ。」とお叱りを受けるようなこともあるわけです。

その理由は、「空いてちゃ儲からないだろう。」という運賃収入の話だと思います。でも、私は、たとえ朝から晩まで列車を満員にしても、1時間に1本、1両のディーゼルカーですから決してそれだけで黒字にはなりませんし、現実的政策ではありませんから、「だったら、空いててもいいんじゃないでしょうか。」と考えるのです。

でも、国鉄からJRの歴史を振り返ると、昔は編成が長かった列車が、どんどん短くなってきていて、特に在来線の普通列車などは、例えば昔は6両ぐらい連結されていて、「ゆったり」と旅ができたのに、JRになって経営効率化などという掛け声のもとに、それまで6両だった列車が4両編成に短くされ、そしてさらに2両編成になったりしている。〇〇本線と呼ばれるような幹線でも、2両編成の電車が走っているのは今や当たり前になっています。

では、4両だった電車をどうやったら2両編成にできるのか。それは、一言で言うと詰め込むわけです。それまで向かい合わせのボックスシートだった車両を、通勤スタイルのロングシートにすれば、4両だった電車を2両にできますし、乗せきれさえすれば、とりあえず輸送は確保できます。これが経営効率化という正しい経営だという考え方ですね。

でも、私は???と思うのです。

なぜなら、自分だったらそんな列車には乗りたくありませんから。
だいたいロングシートでは駅弁を食べる気もおきません。駅の売店で駅弁を売るだけ売っていて、食べる場所がない列車を走らせているということは、私は正しいお客様サービスとは言えないのではないかと思うのです。

電車の編成には基本編成というのがありますが、つまり、最低何両で運転できるかというものですが、2両編成が基本の電車でも、混んで来たり、需要に応じて4両にしたり6両にしたりというこまめに増結できればまだ対応できるかもしれませんが、あまりそういう連結などという手間ひまもかけたくないから、いつも同じ編成で走っていたりすることも多くて、ガラガラの時間帯もあればギューギューの時もある。

でも、人件費をかけなければ、良い経営という考え方がありますから、そうなるわけで、そういう時に見落としているのは「お客様の気持ち」ではないでしょうか。

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