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男役の集大成開幕 朝夏まなとサヨナラ公演

10/13(金) 10:36配信

佐賀新聞

13日から東京宝塚劇場

 2015年2月、佐賀県出身者として初めて宝塚歌劇団のトップスターに就任した宙(そら)組、朝夏(あさか)まなと。常に「進化していきたい」と話し、自分に限界を作らず歩み続けた朝夏らしく、退団公演ミュージカル・プレイ「神々の土地」、レヴュー・ロマン「クラシカル ビジュー」は、男役・朝夏まなとの魅力を存分に味わえる秀作に仕上がっている。9月に本拠地(兵庫県宝塚市)での公演を終え、13日、東京宝塚劇場で幕を開ける。

 「神々の土地」は完成度の高い作品を創り続けている上田久美子が作・演出を担当した。ロシア革命前夜の皇帝一家を中心とした物語。皇帝ニコライ二世と皇后アレクサンドラが、怪僧・ラスプーチンに操られ、悪政を敷く。朝夏は、皇帝ニコライ二世のいとこ、ドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフ大公を演じる。

 「ミュージカル」と銘打つ作品の中では、歌が極めて少ない。ドミトリーが思いを寄せる女性とのデュエットもない。ストレートプレイに近いつくりで重厚さがあり、「何度も読み返したくなる小説」のような余韻を残す。

「自分の信念に従って生きよう」。ドミトリーの台詞は、そのまま朝夏の思いに重なるよう。就任以降「宙組の太陽」と慕われ、確固としたリーダー像を持ち、約80人のメンバーを引っ張ってきた。人気海外ミュージカルの再演も新作も、自身が全力投球し、その背中を追いかけ若手が実力をたくわえてきた。革命のうねりを表現した群衆シーン、「宝塚」の枠をはるかに超えラスプーチンを気味悪く演じた愛月ひかるらの好演が光る。

 一転、「宝石」をテーマにしたショーは、きらびやか。手足の長さを生かしたダイナミックなダンスでファンを魅了してきた朝夏が、男役メンバーを率いる黒燕尾でのダンスは圧巻だ。次期トップスターに内定している熊本県出身の真風涼帆に、充実期にある宙組を引き継ぐ。

 ▽東京公演は、11月19日まで。初舞台を踏んだばかりの亜音有星(あのん・ゆうせい)=佐賀市出身=も出演している。最終日は佐賀市の109シネマズ佐賀で中継する。

最終更新:10/13(金) 10:36
佐賀新聞