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【舛添要一の僭越ですが】 衆院で万一負けても、自民には参院がある

10/13(金) 13:00配信

ニュースソクラ

ねじれ国会を生まない合従連衡が必要

 10日の公示で衆院選が始まった。しかし、わが国の国会が二院制であり、参議院で自民が単独過半数を押さえていることを忘れてはならない。

 私は、参議院議員であったし、参議院自民党の政審会長も務めたことがあるが、何よりも自民党政権の閣僚として「ねじれ国会」で苦労したことを思い出す。

 2007年夏の参院選で自民党は惨敗し、参議院で過半数を失い、民主党が参院第一党となった。私は、選挙後の安倍改造内閣に厚生労働大臣として入閣し、年金記録問題、薬害肝炎訴訟などの難問に取り組んだが、衆議院で法案が通っても、参議院では否決されるという事態が起こった。いわゆるねじれ国会である。

 安倍首相は腹痛の持病で首相を辞任し、福田康夫内閣が後を継ぐ。私も留任したが、ねじれ国会を乗り切るのは大変だった。福田首相は民主党の小沢一郎代表との間で大連立構想を進めるも上手くいかず、2008年9月に首相を辞任した。

 後継の麻生内閣(私も閣僚を留任)は、2009年夏の衆院選で敗れ、民主党に政権が移行した。その結果、国会のねじれは解消した。私は、閣僚としてはねじれ国会しか経験していないが、それだけにそのような状況での政権運営の難しさを痛感している。

 今の参議院の議員数は242であるが、自民党・こころが125議席、公明党が24議席を占めている(10月7日現在)。こころは中野正志ひとりなので、自民だけで過半数を超えているのである。

 万一、今回の衆院選で自公が惨敗するようなことが起こったとしても、そして希望の党などに政権交代したとしても、参議院は自公が多数派である。ねじれ国会となる。そうなると、次の政権は、かつての安倍、福田、麻生内閣と同様に政権運営に苦労することになる。

 逆に言うと、政権交代を標榜する希望の党・民進党、立憲民主党などにとっては、たとえ政権に就いても、参議院という大きな壁が立ちふさがることになるのである。日本の参議院の権力は強大である。首相指名、予算以外は、衆参は同じ重みである。

 私の経験からしても、対決法案については両院協議会など何の役にも立たない。参議院で否決された法案について、衆議院再決議権の行使で切り抜けたこともあるが、福田、麻生首相の問責決議案は参議院で可決されている。

 すべては、選挙結果次第であるが、参議院の重要性について、もう少し注意を払ったほうがよい。自民党にとっては万が一、選挙で負けたときの抵抗の拠点となるし、野党主導の新政権にとっては頭痛の種となろう。

 したがって、希望の党などが自民党から石破氏・野田聖子氏や公明党を引きはがして分裂させる戦術を考えることは、ねじれ国会を念頭に置くと合理的な手である。いずれにしても、参議院を念頭に置かずに選挙後の政界見取り図を描くことはできない。

舛添 要一 (国際政治学者)

最終更新:10/13(金) 13:00
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