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【SSO Book review:2017秋】秋の夜長にジャズ三昧はいかが?

10/13(金) 19:34配信

Stereo Sound ONLINE

あなたの聴き方を変えるジャズ史

村井康司・著
(シンコーミュージック・エンタテイメント、A5判/360頁、2000円・税別、発売中)

 尚美学園大学音楽表現学科の講師も務めるジャズジャーナリストの著者が、ジャズだけでなくアメリカの大衆音楽全体を時代との関わりの中で綴った1冊。アメリカ南部のニューオリンズでジャズが誕生したとされる19世紀末~20世紀初頭、その周辺地域の音楽や文化、人々の意識はどうなっていたのか。さらに、時代の流れの中でそれがどう変化し成長していったのか。ジャズとは何か、という基本的なテーマのもと、地域と時代を超えて、音楽や文化、思想や政治などの社会状況を通して人々の流れや結びつきを探っていく。初出は雑誌「JaZZ JAPAN」創刊号~77号に連載の「ジャズ史で学ぶ世界の不思議」、小学館「ジャズ・ヴォーカル・コレクション」創刊号~26号に掲載の「ジャズ歌ほぼ100年史」。単行本化にあたり整理、加筆・訂正を行なっている。巻末に「さらに深く知りたい人のための書籍案内」、「『あなたの聴き方を変えるジャズ史』をより深く知るためのCDガイド420」を収録。

裏ブルーノート

若杉 実・著
(シンコーミュージック・エンタテイメント、B6判/304頁、2000円・税別、発売中)

 「渋谷系」「東京レコ屋ヒストリー」などで知られる音楽ジャーナリストの著者が、ブルーノートレーベルの諸作から39のアルバム/アーティストをピックアップ。作品が生まれた背景や作者の自由な発想の基づくイメージの飛躍、サウンドの魅力など、定型のない展開が実に楽しい。関連するアルバムも随所で紹介する。取り上げたアーティストは、アルフォンス・ムザーンに始まりアンドリュー・ヒル、アート・ブレイキー、ボビー・ハッチャーソン、キャノンボール・アダレイ、カーティス・フラーと続いていく。つまりは名作紹介ではなく、そのアーティストをどのように聴くか、どのように捉えるか、といった聴き方の提案。アーティストが違えば聴き方も変わる。そこに著者の発想の多彩さが活きている。「モダンデザインがモダンジャズを描くCANNONBALL ADDERLEY『Somethin' Else』」、「美は乱調にありKENNY DORHAM『Afro-Cuban』」といった具合に。

最終更新:10/13(金) 19:34
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