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【静岡新聞担当記者の目/ジュビロ磐田編】シーズントリプル達成なるか…静岡ダービーのキーマンは?

10/13(金) 12:36配信

GOAL

4年ぶりに実現したJ1での静岡ダービーから約6カ月。サッカー王国の両雄が10月14日、IAIスタジアム日本平で再び相まみえる。ジュビロ磐田が見据えるのは、勝ち点3のみ。サックスブルーの誇りを胸に、ルヴァンカップを含めたダービー年間3勝を目指して敵地に乗り込む。

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■指揮官の並々ならぬ思い

現役時代に清水エスパルスと覇権争いを繰り広げたジュビロ磐田の名波浩監督は就任後、ことあるごとにダービーの重要性を選手に伝えてきた。

「どんな理由があっても34分の1以上の気持ちを持って勝ちにいかないといけない。相手が残留争いをしていても、そういうことは度外視して勝ち点3を目指す試合になる。ユースだろうが、ジュニアユースだろうが、ダービーに懸ける思いは一緒。結果うんぬんよりも、相手になめられることこそが屈辱。静岡県を引っ張っていく両クラブの対決は、そういう位置付けでないといけない」

4月の対戦では、ダービーへの熱い思いが勝利を手繰り寄せた。先制点はユース出身のDF森下俊。「エスパルスには絶対に負けたくない」。リーグ戦で初めて出場した清水戦。プロ13年目でJ1初得点を決めた。ユース時代から染み込んだライバル意識が、ゴールへの道筋を切り開いた。

互いのJ2降格でダービーが行われなかった3年間で顔触れはがらりと変わった。Jリーグ参入で清水に先を越された因縁や、1999年のチャンピオンシップを代表するように覇権争いを繰り広げた歴史を知る選手も少ない。ただ、大卒6年目の櫻内渚は「伝統を考えれば、特別な試合だということはよく分かる。ダービーに対する重みは、年を追うごとに強くなっている」と言う。ライバルへの対抗心は、指揮官の熱い思いと共に再びチーム内に浸透し始めている。

■ダービーのキーマンは?

4月の勝利でつかんだ自信は、チームを勢い付けた。新戦力の目玉だった元日本代表の司令塔・中村俊輔が全3得点に絡む活躍を見せるなどチームの歯車がかみ合い始めた一戦でもあった。名波監督は「あの試合で大きなエンジンを積み込めた」と振り返る。

残留争いに苦しんだ昨シーズンから一転、清水戦の勝利を契機に躍進する。5月のJリーグYBCルヴァンカップで4―2と返り討ちしてさらに勢い付くと、6月から7月には2004年以来のリーグ戦6連勝を記録。現在は6位に浮上し、AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得圏内まであと一歩に迫っている。

スコアレスドローに終わった前節のFC東京戦は約半年ぶりに4バックを試したが、アウェイ清水に乗り込む今節は、再び3バックに戻す見通し。慣れ親しんだ布陣の採用に、指揮官の勝利に懸ける思いが溢れている。

右太ももの肉離れからの復帰が濃厚な大井健太郎を中心に、攻守で自分たちから仕掛けていく磐田のサッカーを見せたい。藤枝市出身で2003年に磐田入りし、静岡ダービーの意義を良く知るDFリーダーは「順位に関係なく、燃えるものがある試合。勝ってホームに帰ってくる」と意欲を示す。

注目は3年ぶりにドイツから戻ってきた山田大記。復帰後3試合は得点に絡めていないが、中学時代に磐田ジュニアユースで育った男の思いは強い。「清水のチームは小学生の頃からのライバル。シーズントリプル(リーグ戦とルヴァンカップの年間3戦全勝)を達成できたら大きな喜びになる。とにかく勝ちたい」。上位進出のキーマンは勝利だけを見据えている。

前節FC東京戦はシュート6本に終わり、攻撃面でもどかしさが残った。2週間の中断期間には攻撃の形を再確認し、連動性を高めている。磐田の持ち味でもある鋭いショートカウンターを数多く発揮できれば、勝ち点3が間違いなく近づく。

ただ、この試合に限って言えば、勝敗を分けるのは戦術うんぬんではなく、気持ちの強さだろう。4月の対戦では、終了間際に鄭大世に意地の一発を決められた。森下は「もったいなかった。無失点で抑えないといけなかった」と警戒心を強める。球際で激しく戦い、ゴール前で体を張り、終了の笛が鳴るまで勝利を目指して走り続けられるか。最後の最後まで目が離せない、静岡ダービーにふさわしい息詰まる熱い戦いを期待している。

文=岡田拓也(静岡新聞社/ジュビロ磐田担当)

Goal編集部

最終更新:10/13(金) 12:37
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