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<九条俳句訴訟>勝訴の原告女性、心境を赤裸々に語る 1千人超の支援者が応援「市に改善要望したい」

10/13(金) 23:34配信

埼玉新聞

 「誤りが認められ、本当に良かった」。九条俳句訴訟の判決後、埼玉県さいたま市浦和区で会見した原告女性(77)は率直に喜びを語った。弁護団や支援者は、俳句の不掲載を違法とした司法判断を「とても意義のある画期的な判決」と評価。判決を弾みに引き続き、さいたま市に対し公民館だよりへの俳句の掲載を求めていくことを確認した。

 「不掲載にしたことが誤りであることがはっきりした。ほっとしている」。当時の句会代表者も同席した会見で、額に収められた「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の俳句を掲げた女性は胸をなでおろした。

 不掲載が発覚してから3年4カ月、提訴に踏み切ってから2年4カ月。口頭弁論を重ねるごとに問題の大きさを再認識したという。「当たり前だと思っていたことが大事になった。(裁判には)絶対勝てると思ってたが、不安になることもあった」と判決前の心境を赤裸々に語った。

 弁護団を率いてきた佐々木新一団長も「さいたま市の処分が誤りであることが断罪され、私たちの表現の自由が守られた。国民の皆さんの期待に応えて勝訴判決を受けることができた」と集まった支援者に報告した。

 裁判では、社会教育施設としての公民館の在り方も問われた。原告側の補佐人として出廷した佐藤一子東京大名誉教授は「住民と共に公共性を守り、学習権を行使できるような社会教育施設を一緒につくり上げていかなければならない。そういう思いが盛り込まれた判決」と受け止める。

 九条俳句訴訟への関心を深めてもらおうと、28都道府県1千人を超える支援者らが市民応援団を結成。行進や集会を開くなどしてきた。今後の対応について市民応援団の武内暁団長は「弁護団と相談して俳句の掲載、俳句コーナーの再開、公民館など社会教育施設の在り方について、さいたま市に対し具体的に改善を要望したい」と話した。

 裁判を傍聴してきた日本社会教育学会会長の長沢成次千葉大学名誉教授は「原告の思想、信条を理由に公民館が不公正な取り扱いをしたと明確に断じた画期的な判決」と評価。「判決により職員が萎縮してしまう恐れがあるが、もっと大らかに運営していけばいい」と述べ、再発防止に向けて職員研修の必要性を指摘した。

最終更新:10/13(金) 23:34
埼玉新聞