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高校サッカーの名門「シズガク」出身の相棒 渡井と諸江、2人のフィクソが最高の結末を見せる!

10/13(金) 15:56配信

AbemaTIMES

 静岡学園高校、通称「シズガク」。

 個人技をベースとしたショートパスをつなぐ「シズガク・スタイル」に憧れる選手が集まり、いつの時代も高校サッカー界で話題を呼んでいる名門だ。そのプレーで多くのサッカーファンを魅了すると同時に、数々の選手たちが、プロの門をたたいてきた。

 50歳で現役を続けるキング・カズこと三浦知良も、高校1年の途中で単身ブラジルへと渡るまで、シズガクに通った。そのカズの兄・泰年や、鈴木正治、近年では川崎フロンターレの大島僚太など、シズガクは多くのサッカー日本代表選手を輩出してきた。

 そんな伝説的な高校で同じ時間を過ごした2人の選手が、10年以上の時を経て、フットサルのトップリーグ、Fリーグの舞台でチームメートとして戦っている。フウガドールすみだのキャプテン・諸江剣語と渡井博之、チームの大黒柱といえる選手たちだ。

 渡井が3年の時、諸江が1年。ハイレベルなライバルとの競争に打ち勝ってレギュラーの座をつかんだ2人は高校卒業後、奇しくも別々の場所でフットサルと出会った。

 地元・静岡県のXEBRA SHIZUOKAの一員として東海フットサルリーグを戦っていた渡井は、ボールを持てば誰も奪うことができないほどのテクニシャン。プロチーム、名古屋オーシャンズの監督を務めたこともある名将・眞境名オスカーが率いるチームで、絶対的な存在感を放っていた。「あいつは天才だよ」。周囲はみな、口々にそう話していた。

 諸江は、高校卒業後に地元・石川県金沢市に戻り、北信越フットサルリーグのINDIGO SCORPION 1969でプレーしていた。そして2006年、地域リーグの日本一を決める大会で関東の強豪・プレデター(現・バルドラール浦安)を相手に圧巻のドリブルを披露してみせると、そのプレーが高く評価されて、プレデターからのオファーを受けた。

 2人は2009年に一度、すみだの前身・FUGA TOKYOで再会している。渡井は、さらなる高みを目指して静岡から上京。一方、Fリーグで結果を出せずにくすぶっていた諸江は、須賀雄大監督に声を掛けられた。渡井が、デウソン神戸や浦安でプレーした後、須賀監督の熱烈なオファーを受けて2015年にカムバック。2人は2回目の再会を果たした。

 そして今、彼ら2人は、すみだの絶対的なコンビとしてピッチで躍動している。

 「コンビ」といったが実は、2人が同時にピッチに立つことは多くない。彼らは、守備の要であり、攻撃の起点となるフィクソというポジションを任されている。フットサルでは、フィールドプレーヤーが4人1組となる「セット」を交代しながら戦うことがセオリーとされ、渡井と諸江は、別々のセットのフィクソとしてプレーしているからだ。

 シズガク出身のテクニシャンでありながら、渡井も諸江も、テクニックだけではない重要なスキルでチームを率いている。相手の屈強なアタッカーを1対1でつぶす守備力と攻撃時の采配、ゴールへと向かう推進力。「フィクソの出来が勝敗を左右する」とまでいわれる現代フットサルにおいて「守備力の高い最強の攻撃者」として君臨している。

 諸江は先輩への絶大な信頼を口にする。「ワタさんがいることで、思い切ってプレーができる」。ピッチに一緒に立っていてもそうでなくても、2人の間には固い絆がある。

 諸江はこうも言う。「同じフィクソとして、相棒のような感覚がある」。

 「足元の技術に秀でるテクニシャン」と「フットサル」という掛け合わせは、「日本トップレベルの2人のフィクソの醸成」という化学変化を導き出したのだ。

 そういえば、今月からテレビドラマ『相棒』の新シーズンが始まる。水谷豊と反町隆史が絶妙なコンビで、次々と難解な事件を解決していく大人気シリーズだ。渡井と諸江。時を経て同じピッチで躍動する先輩と後輩の姿が、そんな「相棒」とリンクする――。

 Fリーグを席巻する相棒は今シーズンきっと、最高にドラマティックな結末を見せてくれるだろう。渡井と諸江、シズガク出身の2人のフィクソから、目が離せない。

文・本田好伸(futsalEDGE)

最終更新:10/13(金) 15:56
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