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カナダの大麻事情 合法化をめぐる議論――誰がリーダーシップを取るべきか

10/13(金) 17:00配信

AbemaTIMES

 2015年10月に行われたカナダでの総選挙の大きな争点の一つに「大麻の合法化」があった。当時、与党の保守党でカナダ首相のスティーブン・ハーパーは、大麻の危険性や子供が簡単に入手できてしまうリスクを訴え反対派に、対する自由党党首のジャスティン・トルドーは合法化による規制の導入と税収が見込めるため、賛成の立場であった。

 現在カナダでは医師の承認が必要な医療大麻のみが合法であり、認可生産者から購入し、郵送で受け取る必要がある。この方法は複雑で時間もかかる。バンクーバーなどの大都市には大麻薬局があり、この大麻薬局では、医師の同意があれば簡単に大麻を購入が可能だ。なぜカナダ政府は大麻の合法化をしないのだろうか。「税収のチャンスを逃している」との見方もある(編集部注:2017年、カナダ政府は、嗜好品としての大麻使用を2018年までに合法化する法案を議会に上程している。議会が承認すれば、18歳以上のカナダ国民は2018年7月までには店頭で大麻を購入できるようになる)。

 元バンクーバー警察本部長であるカシュ・ヒード氏によれば「年間680億カナダドル(約5兆3040億円)相当の大麻を街から一掃した。これはバンクーバーでの大麻の消費量と流通量とほとんど同じ」だという。カシュ・ヒード氏は「税収を考えると大麻を合法化し、大人の嗜好品として流通させる方が、マイナス点と比べてもはるかに有益」と話す。

市は何の取り決めもできない――誰がリーダーシップを取るべきか

 大麻合法化を推進するバンクーバー市議会のケリー・ジェン議員は「大麻規制は水道工事などのインフラ整備と同じ、バンクーバーの課題。連邦政府は問題を投げ出し、より複雑にしている。だから代わりに市がリーダーシップをとらないと」という。

 バンクーバーでは大麻薬局が増えているが、営業の許可に関してはグレーゾーンな薬局も多い。ケリー・ジェン議員は「昔は6軒の大麻薬局があり容認されていた。ここ数年で急激に増え、80軒以上になった。ファストフード店より多い。富裕層から最貧層まで利用していて市全域で需要がある。でも市は何の取り決めもできない。営業許可を与えたり、業種を定めたりするのは違法とされています。営業許可を与えると連邦法違反になる。だが全ての薬局を強制的に閉鎖するわけにもいかない。嗜好品として利用する人もいるだろうが、店がなくなると薬として必要とする人が困利用者を全員チェックするには、費用がかかりすぎる」と話し、国は「それらの解決策として違法な行為だけを取り締まる仕組みを考えた」と主張した。

 2015年に行ったこの取材の直後、市が許可を出す計画が動き始めた。これらを受けてカナダの保健相は大麻薬局の違法性を市長に指摘。連邦警察の介入を懸念する声も出た。

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最終更新:10/13(金) 17:55
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