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半世紀ぶり赤ちゃん 輪島・東山の移住夫婦に男児誕生

10/13(金) 1:25配信

北國新聞社

 輪島市山間部の東山町で約50年ぶりに赤ちゃんが暮らし始め、住民を喜ばせている。県外から移住した田山賢治さん(41)、麻里さん(36)夫婦の長男寛大(かんた)ちゃんで、麻里さんとともに帰省先から東山に戻った。過疎の山村に暮らす高齢者は「赤ちゃんの笑顔から元気がもらえる」と喜んでおり、集落全体がお祝いムードに包まれている。

 寛大ちゃんは6月27日に、麻里さんの故郷岐阜県大垣市で生まれた。田山さんの隣人で町内最高齢の古屋敷吉長さん(92)らによると、出身者が赤ちゃんを連れて帰省することはあるが、町内に赤ちゃんが暮らすのは約50年ぶりという。

 町には、60代後半から70代を中心に15世帯が暮らす。寛大ちゃんは27人目の住民として9月26日に東山町へ来た。区長の紺谷栄一さん(70)は、田山さん夫婦に寛大ちゃんの抱っこを勧められたが「町の貴重な宝物のようで、万一何かあったらと思うと抱けなかった」とほほ笑んだ。

 埼玉県北本市出身の賢治さんは全国の山村で農業に従事し、4年前に能登町の栗園で麻里さんと知り合った。今年4月に珠洲市内で結婚式を挙げ、知人の紹介で東山町に転入した。賢治さんは棚田を耕作しながら、夏は輪島市内の塩田で、冬は同市内の酒蔵で働く。

 山村での育児について麻里さんは、車で市街地まで約30分で通えるので不便は感じておらず、市中心部では「ママ友」もできたと喜ぶ。困り事は家に入ってくるムカデぐらいと言う夫婦は「寛大も東山に溶け込んで、誰とでも触れ合える子に育ってほしい」と期待を込めた。

 住民とともに寛大ちゃんを迎えた紺谷さんは「赤ちゃんを見ると、みんなが明るくなる。おせっかいまではしないが、子育てで困り事があったら手伝いたい」と一家を見守った。

北國新聞社

最終更新:10/13(金) 1:25
北國新聞社