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伝説の空売り投資家チャノス氏の運用成績上がらず-上昇相場に逆らう

10/13(金) 12:55配信

Bloomberg

伝説の空売り投資家として知られるジム・チャノス氏の運用する2本のヘッジファンドが苦戦を強いられている。

ブルームバーグが確認した投資家向け資料によると、ヘッジファンド運用会社キニコス・アソシエーツの創業者チャノス氏が運用する「クリティコス」の9月の成績は約1%の損失で、年初来のマイナスは10.7%に拡大した。また、「ウルサス」は同月に2.2%低下し、年初来では6.5%のマイナス。これに対しS&P500種株価指数は同期間にプラス約16%のリターンを上げている。

20億ドル(約2240億円)余りの資金を運用する同氏は、いまなお相場の下げに賭ける数少ない大規模ファンドの運用者の1人。空売り戦略でかつて名をはせた他の運用者の一部も、米株価が2009年の金融危機の局面で付けた安値から約4倍になる中で悪戦苦闘している。16年の運用成績がマイナス50%だったクリスピン・オデイ氏の欧州株ロング・ショート戦略は、ことしも年初から9月中旬までマイナス14%となっている。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスを空売りして利益を上げたことで知られるデービッド・アインホーン氏は、同氏が「バブルのバスケット」と呼ぶテクノロジー株の空売りに慎重だ。

チャノス氏は、借り入れが極端に多い資本構成で「構造的に赤字体質」と指摘する電気自動車(EV)メーカーのテスラの株価下落に賭けている。テスラ株が年初から68%値上がりし、依然として「現在の強気市場の期待と夢の象徴」にありながらも、同氏は9月に出演したブルームバーグテレビジョンで自ら描いたシナリオに自信を示した。

チャノス氏のテスラに関する記事はこちら

チャノス氏はこの他に、石油・天然ガス会社のコンチネンタル・リソーシズや腎臓透析会社などを空売りしている。同氏はアリババ・グループ・ホールディングの空売りを諦め、1月にこのポジションを閉じた。アリババの米国預託証券(ADR)は年初から2倍以上に急騰しており、この判断がさらなる損失の拡大から同氏を救った。

一方、チャノス氏が運用するファンドの中でも、買いポジションを持ち、幅広い資産に投資する別のヘッジファンドの2本は、ヘッジファンドの平均値をアウトパフォームしている。投資家向け資料によると、旗艦ファンド「グローバル・キャピタル・パートナーズ」は年初から9月までにプラス15.2%、「キャピタル・パートナーズ」はプラス18.2%となっている。ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、ヘッジファンドの1-9月の運用成績の平均は資産加重ベースでプラス4.3%。

原題:Chanos’s Short Hedge Funds Decline This Year Amid Stock Rally(抜粋)

Katia Porzecanski

最終更新:10/13(金) 12:55
Bloomberg