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初めての人にもオススメの本格派エントリー、オリンパス「E-M10 Mark III」

10/14(土) 6:15配信

ITmedia LifeStyle

 OM-Dシリーズのエントリーモデルが、E-M10。その3代目「E-M10 Mark III」が登場した。往年の一眼レフ風デザインでなおかつボタンやダイヤルが多いのでエントリーモデルには見えないがエントリーモデルであり、でも性能的にはエントリーモデルというよりはミドルクラスなのである。本格派エントリーというべきか、エントリー機なのに全部入りというべきか、OM-Dシリーズのエントリーは実質ミドルクラスのミラーレス一眼というべきか。

ちょっと凹凸が多すぎる感はあるが、精悍(せいかん)でなおかつコンパクトなE-M10 Mark III

 普通、エントリー向けというとボタンやダイヤルを減らしてコストダウンを果たしつつシンプルにしようとしがちなんだが、E-M10 Mark IIIはちょっと違う。そこが面白い。

●iAUTOとAPモードが楽しい!

 OM-Dの良さはそのスタイル。ファインダーをのぞいたら一眼レフのようにしっかり構えて集中して撮れるし、ファインダーから目を離したらチルト式背面モニターに切り替わるから自由なアングルで撮れる。タッチシャッターも使える。

 キャッチコピーに「for PaPa for MaMa」とあることから子どもを撮るにはやはり一眼レフが……と思っているような「パパ・ママ」層をターゲットにしているのだろう。

 EVFはフラッグシップ機ほどではないが、けっこう大きくてしっかり見えるのはよい。「AFターゲットパッド」機能を使えば、ファインダーをのぞいたまま親指でモニターをなでるだけでAF枠を移動できるのは便利だ。

 撮影にはカメラにおまかせのiAUTO、自分でセッティングして撮るPASMモード、さらにシーン、AP、アートフィルターなど凝った撮影を簡単にできるモードが用意されている。

 iAUTOはシーンを自動的に認識してセッティングしてくれるわけだが、露出のみならず、画作りもシーンに応じて大きく変えてくるのが面白い。

 というわけでいつものガスタンクから。

 iAUTOで撮影したのだがここまできれいに晴れていたっけというレベル。

 続いてレンズを45mm F1.8につけかえてポートレート。このレンズ、小さくて軽くて安くて写りもいい。ポケットに突っ込めるサイズなのでポートレート用に持っておくとよし。

 人物と判断すると絞りが開き、肌もきれいに写る。

 夜景を撮ると、自動的に夜景モードになるが、ライトアップされてると「スポットライト」モードに切り替わって白トビを抑えてくれる。なかなか優秀である。

 近距離室内作例も1つ。ISO640でラーメン。

 逆にiAUTOだとやりすぎと感じる人もいるわけで、その場合はPASMの各モードをうまく使うといい。PASM時にはファインダーをのぞいたまま2つの電子ダイヤルで露出の調整ができる。

 この辺の操作系は完全にミドルクラスレベル。

 上面を見ると、ファインダーの左側に電源スイッチ兼内蔵フラッシュのポップアップレバーが、右には撮影モードダイヤルと2つの電子ダイヤルがある。

 電子ダイヤルの片方は露出補正に割り当てられているのでさっと補正が可能だ。

 前モデルと異なるのは左肩にショートカットボタンが追加されたことくらいか。これは撮影モードによって機能が変わる「何かしたくなったら押せ」ボタンな感じ。

 例えば、iAUTOやPASMの各モードで押すと、画面にコンパネが現れる。そしたらタッチパネルで操作すれば顔認識のオンオフやWB、ISO感度など必要な撮影設定をその場でさっと変えられるのはいい。

 ショートカットボタンにともない、一部画面デザインが変わった。

 シーンモードはグラフィカルに大まかなシーンが並んでそこから十字キーかタッチパネルで目的のシーンを選び、その下にさらに細かいシーンが並ぶようになって分かりやすくなった。

 これはいい。モードダイヤルをシーンモードに合わせて、2秒ほど待ってもこの画面に切り替わる(瞬時に出してくれればいいのに、と思うけど)。

 個人的に注目したいのは新設のAPモード。アドバンストフォトの略。

 オリンパスのカメラはユニークで個性的な撮影機能をいくつか持っているのだが、そういう機能って「知らないと呼び出せない」。知ってても「呼び出すのがめんどくさい」機能もある。

 そういう撮影機能を集めたのだ。ライブコンポジットとかHDRとか多重露出とかブラケットとかデジタルシフトとか、知らないと知らないまま終わりそうな撮影機能が集められてるのである。

 特に試してほしいのは「ライブコンポジット」と「静音モード」。

 ライブコンポジットは長秒時露光で連写して明るいところだけ合成することで、要するにこんな感じで撮影してこういう写真を撮れるのである。

 三脚必須機能ではあるが打ち上げ花火を撮るのにもいい。暗いところは暗いままなので、長時間露光しすぎて全体に明るくなりすぎることもないのだ。

 もう1つは「静音撮影」。電子シャッターに切り替わり、AF補助光も電子音も全部オフになって、超静かに撮影できる。

 まあ電子シャッターなんだけど、シャッター方式を切り替えるよりは「静音撮影モード」っていってもらった方が、たぶん分かりやすい。

 静音撮影モードの1つのメリットはメカ的動作がない分より手ブレしづくなること。もともとボディ内に5軸手ブレ補正を持ってるわけで、静音撮影モードと組み合わせると最強だ。

 今回の作例は夜景写真が多くて恐縮だけど、これ、静音撮影モードにして「シャッタースピード1秒」でファインダーをのぞいて手持ちで撮ったものである。手持ちで1秒でもぶれないのは強力。

 じゃあ、手ブレ補正機構搭載レンズ(12-100mm F4など)と組み合わせればもっと手ブレしなくなるか、と思いきや残念ながら「デュアルシンクロ手ブレ補正」には未対応だそうです。残念。

●基本性能は前モデルの強化版だがエンジン性能が上がった

 さて最後に基本性能やセンサーの話。

 基本的には前モデル(E-M10 Mark II)のマイナーチェンジ版。

 イメージセンサーはマイクロフォーサーズの1600万画素で、像面位相差AFはなし。コントラスト検出AFのみなのでコンティニアスAFはやや心許ないが、シングルAFなら速くてすっと合う。

 突然現れた猫でもOk。

 AF枠は前モデルから増えて121ポイントとなった。

 OM-Dのウリであるボディ内5軸手ブレ補正は当然健在。このクラスのデジタル一眼ではもっとも手ブレしないといって過言じゃない。

 ISO感度は標準でISO200からISO25600。ISO6400まではけっこう使えそうだ。

 連写はAF固定で最高約秒8.6コマである。このクラスとしては申し分のない速さだ。

 基本性能や機能は申し分ないが 惜しむらくはUSB充電に未対応とか、業界のトレンドになりつつあるBluetoothを未搭載ってあたりだろう。

●パパママのみならず本格派エントリー機として秀逸

 このカメラ、広告ではファミリー向けっぽい感じになってて、確かにAFは速いし手ブレしづらいしファインダーでもチルト式モニターでも撮れるし顔検出+瞳優先AFは優秀だから家族を撮るのにも向いてるし、何よりマイクロフォーサーズなのでレンズもボディもコンパクトで持ち運びも苦にならないしで、この良さをパパママジャンルの人にも分かってほしいというのはすごく分かる。

 でもそれ以外の初めてレンズ交換式カメラを使う人やサブカメラとしてコンパクトなものがほしい人にもお勧めしたい。オートでもマニュアルでもその気になればいくらでも凝った撮影ができて操作もけっこう快適なのである。

最終更新:10/14(土) 6:15
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