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「自分の身は自分で」災害時、難病患者の備えは? 弱者への配慮行き届かず 熊本地震経験者に聞く

10/14(土) 6:30配信

西日本新聞

 難病患者や障害者ら災害弱者への支援を考える上で、当事者の意見は貴重だ。本紙生活面で「わたし、ときどき患者」を連載中の池崎悠さん(25)=熊本市=が今月、熊本地震の被災体験を福岡市内で講演した。池崎さんが強調したのは、非常時には弱者への配慮が行き届かない現実。まずは「自分の身は自分で守るしかない」として、薬の備蓄方法など、日ごろの備えについて具体的に提言した。

⇒【表】難病患者の災害時の備えは?

 指定難病の慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)を15歳で発症した池崎さん。原因は不明だが、感染やストレスなどが引き金となって手や足が動かしにくくなる病気とされる。

 本震は「家が倒れるかと思うほどの揺れ」。前震と同様、近くの大学に歩いて逃れた。避難者は約760人。開放された構内の床は土足。枕のすぐ近くに靴があった。「自分も感染には弱い。病気だと誰に言えばいいのか。でも伝えて何か変わるのか…」。無力感を覚えた。廊下にも人があふれ運動場で一晩過ごした。

 翌朝、いったん帰宅。約60キロ離れた親戚宅で風呂に入れてもらい、また戻った。水や電気が使えず公園で1週間は車中泊。食事や水の配給情報は全く届かない。両親が約2キロ離れた公園に水をもらいに行った。結局、熊本県天草市の知人宅に5月上旬まで避難した。「障害者への合理的配慮など、まだまだ机上の空論」と痛感した。

薬や食料の備蓄、最低2週間分

 池崎さんが訴えたのは、まず薬や食料の備蓄だ。薬は主治医に相談し、最低2週間分は持っておく。避難所で「頭が痛い」と訴えつつ、何の薬か分かっていなかった人もおり「服薬リストをスマートフォンで1枚撮っておけばいい」と提案。配給はおにぎりやパンなど炭水化物が多いため、ビタミン系のサプリメントもお薦めという。

 次に リラックスできる方法を持つ こと。前震後の避難所は学生が集まり、騒がしかった。耳栓のほか、マスクや「普段使うハンドクリームなどもその香りで落ち着ける」。日ごろから「自分なりにリラックスできる呼吸法を身に付けておく」のも良さそうだ。

 避難のシミュレーションも欠かせない。災害発生直後に数時間、身を守る公園などの「避難場所」、自宅で生活できない場合の「避難所」はどこか。被災していない遠くの場所(広域避難)も、移動方法を含めて「友人や親戚と事前に話しておく」必要がある。

 助けを求める先を複数確保するのも必要だ。自治会などが集める避難行動要支援者名簿に登録し、近隣住民と関わりを持っておくほか、患者会にも入っておきたい。最近は被災後、無料通信アプリのLINE(ライン)での支援情報なども活発だが「いつのものか分からないことも多い。行政からのネット情報などにアクセスすることに慣れておくこと」も不可欠だ。

 「必要な助けを気兼ねなく頼める友人を何人も持って。もちろん自分も求められる存在に」と池崎さん。「共助」の関係づくりの重要性も主張した。

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最終更新:10/14(土) 6:30
西日本新聞

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