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ポストスマホの覇権争い、AIスピーカー商戦は“日本ラウンド”へ

10/14(土) 12:06配信

日刊工業新聞電子版

■加熱する“仲間集め”

 日本で人工知能(AI)スピーカー商戦の火ぶたが切られた。米グーグルの日本法人は「グーグルホーム」を発売し、LINEも「ウェーブ」の正式版を投入した。米国を席巻する「アマゾンエコー」も年内に登場する。各社はAIスピーカーの価値向上に向けて外部サービスとの連携を重視しており、合従連衡の動きが顕在化している。またAIスピーカーを通じAIプラットフォームの利用者を増やす考えで、各社はスピーカー販売をテコにAI基盤の覇権を狙う。

 AIスピーカーは話しかけるとニュースを読み上げたり、音楽をかけたりできる。スピーカーに搭載されたクラウド型のAI基盤が多様なサービスとひも付き、利用者の声に反応してそれらを呼び出す仕組みだ。利用できるサービスは、現時点で提供しているものにとどまらず、各社の連携範囲次第で、いかようにも拡大する。

 グーグル日本法人の徳生裕人製品開発本部長も「AIスピーカーの真の姿は、まだ見えていない」と話す。その量や質はAIスピーカー市場における勝敗を左右する。各社はサービスの拡充に向けて外部企業との連携を重視しており、自社のAI基盤と連携する「仲間集め」は熱を帯びそうだ。

 グーグルホームはAI基盤「グーグルアシスタント」を搭載。それと外部のサービスをつなぐ開発者向けツールを近く展開する。すでに楽天やヤフーなどのサービス提供を予定している。

 また、アマゾンエコーもAI基盤「アレクサ」のサービスを外部の企業が作成できるツールを用意する。アマゾンジャパン(東京都目黒区)はアマゾンエコーの発売前ながら、NTTドコモやクックパッド、三菱UFJフィナンシャル・グループなど多様な企業のサービスと連携する方針を明かす。

■挑戦者「LINE」、7000万人ユーザー取り込む

 一方、LINEは日本市場にいち早く投入したが、グローバルでは後発だ。舛田淳LINE取締役も「我々は挑戦者」と認める。このため外部企業と連携しつつ、自社の対話アプリケーション「LINE」を操作できる独自機能に活路を見いだす。舛田取締役は「LINE利用者が使いやすい多様な機能を考えていく」と強調。国内約7000万人のLINE利用者の取り込みを急ぐ。

 AIスピーカーの価値向上に力を注ぐ3社だが、真の狙いは端末販売による利益の獲得ではなく、AI基盤の覇権だ。

 AIスピーカーを“入り口”に自社のAI基盤の顧客を増やせば、プラットフォーマーとして多様な事業機会が得られる。自社サービスの提供はその一つだ。LINEは対話アプリ「LINE」を入り口に多様なサービスを提供する成長戦略を掲げており、AIスピーカーをその新たな入り口と位置付ける。一方のグーグルは検索エンジン、アマゾンはネット通販の利用を拡大する狙いが透けて見える。

 また、各社はAI基盤を自社のAIスピーカーだけでなく、外部企業の多様な端末にも導入を進める。AI基盤の入り口は今後増えるため、AIスピーカー同士の戦いはAI基盤の覇権争いの始まりにすぎない。