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毛筆で最愛の人にラブレターをしたためる「Love Letter Project ’17」レポート

10/20(金) 18:00配信

bouncy

10月7日(土)から10月9日(月)までの3日間、恵比寿ガーデンプレイス/ザ・ガーデンルームで「Love Letter Project ’17」が開催。会場では、NHK大河ドラマ「龍馬伝」や伊勢神宮 第 62 回式年遷宮に作品を提供し、アメリカ、フランスなど海外でも活動を展開し、日本を代表する書家の紫舟氏の作品が展示された。

展示された作品は、パリ・ルーブル美術館地下会場やミラノ・トリエンナーレ美術館で展示された、絵と墨蹟彫刻が融合する「嘴の折れたカラス」シリーズの新作、書を3次元の立体彫刻として表現した「書のキュビズム」、さらに「チームラボ」とのコラボレーションした、書をモチーフにしたデジタルアートなど。

紫舟氏が講師を務めるワークショップ

10月7日・8日は紫舟氏が講師を務め、大切な人に「ラブレター」を書くワークショップを開催。大人から子供まで35名が参加した。紫舟氏によると「ラブレター」とは恋人に送る手紙のほか、親や子、大切な人に想いを伝える直筆の書のこと。

参加者はいきなり毛筆をするわけではなく、まずは誰に宛てるのかを決め、次に書体を定める。

「Love Letter」の軸となる一文字を、10種類以上の書体で書き比べる作業。「あたたかい」、「激しい」、「切ない」とテーマを持って線一本一本の軌跡に留意したり、利き手とは反対の手で普段は絶対に書かないであろう書体を試すなど、自らの書を拡張していく。

そしてふりかえって並んだ文字を見ると、イメージして書いたことと実際に書体から感じられるイメージが異なることもある。参加者たちは書の奥深さに触れながら、キーボードやペンから離れ、毛筆のラブレターを綴った。

「書」の最前線で活躍し、そしてより多くの人に「書」の魅力を伝え続ける紫舟氏。本プロジェクトの経緯と、ねらいを聞いた。

手紙を綴ることで自分が愛されていることを思い出す

ーープロジェクト開始のきっかけは?

紫舟: 書を通して「思いやり」に気づくきっかけになってもらえればと思い、始めました。親しい人ほど感謝は多いはずですが、なかなか気持ちを伝えることは難しいものだと思います。

大切な誰かを想いながら言葉を綴り、自分の手で筆と墨を使って書き上げることで、改めて自分が愛されていること、一人じゃないこと、幸せを願う誰かが必ずいることを思い出してもらえたらいいなと、そんな思いから始めました。

ーー昨今、書はおろかペンを使って書く機会すら減りつつあります。そんな中、紫舟さんが考える「書」や「書く」行為の魅力は?

紫舟:心と体が繋がっているように、手に握った筆から生み出される文字も心とつながっています。そうして書き上げられた書には、その人が生きた証がのこり、そして体温すら記憶することができます。

人はいつかこの世を去ります、そのタイミングは予測すらできません。しかし、誰かを想いながらつづった言葉は書とともにたとえその方が去ったあとだとしても、100年1000年と生き続けると思っています。

ーー紫舟さんが考える日本語の魅力は?

紫舟:日本の文字には、美しさを生かした造形と、奥深い意味が共存しています。 フランス語が「世界で一番美しい発音」をもつ言語であれば、日本語は「世界で一番美しい形」をもつ言語だと思っています。

ワークショップが終わると、参加者は紫舟氏のもとを訪れ、大切な人を思う気持ちとともに、改めて気づく日本語、そして書の魅力を語りあっていた。2007年に始まり、今年で11回目を数える本イベントは、来年も開催を予定しているという。いつものキーボードから離れて、時には手書きで思いを伝えてみては?

Love Letter Project

Viibar.Inc

最終更新:10/20(金) 18:00
bouncy