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エンケンが歌に残した「俺が死んだ時」のメッセージ

2017/10/26(木) 10:00配信

BuzzFeed Japan

不滅の男、エンケンが逝った。がん闘病中だったシンガー・ソングライター遠藤賢司さんが10月25日、70歳でこの世を去った。生涯かけて「純音楽」を突き詰めた異端のミュージシャンは、そのものスバリ「俺が死んだ時」という楽曲を残していた。そこに込められた思いとは――。【BuzzFeed Japan / 神庭亮介】

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30年を超える親交があるという音楽評論家の湯浅学さんは「『純音楽家』として自分の音楽だけを突き詰めてきた。とにかく純粋で素朴な人」と語る。

名曲「カレーライス」では、何気ない日常をささやくように淡々と歌う。カレーをつくる女性のかたわらで、ギターをつま弾いたり、寝転んでテレビを見たり。

ところが不意に、三島由紀夫の割腹自殺を思わせる「誰かがお腹を切っちゃったって」という不穏なひと言が忍び込む。聴き手はハッとさせられる。

湯浅さんは「だけど、政治的な意図はまったくない。カレーをつくっている時、本当にたまたま(自決の様子が)テレビに映っていたというだけなんだ」と明かす。

「ワッショイ」はピストルズから

デビュー当初はフォークシーンを中心に活動していたが、ほとばしる異才はジャンルの枠に収まりきるものではなかった。

「弾き語りでもテンションはハードロック。自分のことをフォーク歌手だとは思っていなかったんじゃないかな」

「ロックはもちろん、歌謡曲も大好き。山田耕筰や芥川也寸志、早坂文雄の交響曲や映画音楽も含めて、本当にいろんな音楽を愛して、熱心に聴いていた」

「音楽にヒエラルキーはない。いいものはいい、というスタンス。音楽に対してフランクで柔軟だった」

1979年に出した「東京ワッショイ」は、日本のパンクの先駆けとも言われる。

セックス・ピストルズの『Holidays In The Sun(さらばベルリンの陽)』のコーラスが『ワッショイ』と聞こえたところから発想したというから、空耳アワーも真っ青だ。

アンプをリュックのように背負い、ステージを駆け巡りながら「ワッショイ!」と絶叫する様は、「カレーライス」のささやき声が嘘のようにパンクでエネルギッシュ。「静と動」を地でいく人だった。

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最終更新:2017/10/26(木) 10:57
BuzzFeed Japan

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