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不確実な地震予測テーマに特別セッション 日本地震学会秋季大会

10/27(金) 7:52配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 不確実な地震発生予測に基づく南海トラフ地震の防災対応が今後具体的に検討されることに関連し、25~27日の日程で鹿児島市で開催している日本地震学会秋季大会は26日、不確実な地震予測をテーマにした特別セッションを設けた。一線の研究者から不確実な地震予測の活用を見据えた発表が行われ、関心の高まりを示した。

 産業技術総合研究所(産総研)と関西大、京都大防災研究所、静岡大防災総合センターなどのグループは「不確実な地震予測情報が社会及び個人の防災行動に与える影響に関する調査研究」と題して発表。各機関の参加者が「地震発生シナリオ作成班」や「情報伝達・報道班」「社会反応調査班」などの役割に分かれて模擬体験などを行い、情報発表時に社会がどう反応するか-について分野を超えた連携研究に乗り出したことを報告した。

 産総研地質調査総合センターの大谷竜主任研究員は取材に「前例がないので海図のない航海のような難しさがある」としながらも、「不確実予測を利用するには社会的なルールが不可欠。そのための合意形成に活用してもらえるような仕組みを作りたい」と話した。

 研究に参加する静岡大防災総合センターの岩田孝仁教授は「以前は予知できるできないの議論が主だったが、不確実な地震予測を社会のために活用しようという前向きな動きが地震学者にも増えてきた」と歓迎する。その上で「不確実な予測情報は分かりにくいが、この研究によって分かりやすく伝え、社会全体の議論につなげられれば」と期待した。

 特別セッションの座長を務めた海洋研究開発機構(JAMSTEC)地震津波予測研究グループの堀高峰グループリーダーは「地震学会として時宜を捉えたオープンな議論をしたかった。不確実な地震予測の活用について前向きな発表が多かった」と意義を話した。

静岡新聞社