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ボクシング愛好家の大学教授が採点の国も 村田諒太の世界戦でわかったジャッジの「緩さ」

10/31(火) 7:01配信

withnews

 世界ボクシング協会(WBA)のミドル級新チャンピオンになった村田諒太選手(31=帝拳)の世界戦を巡っては、採点をするジャッジの問題がクローズアップされました。どうやら、ジャッジの質に問題があるようです。(朝日新聞東京本社スポーツ部・伊藤雅哉)

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ダウン奪うも判定負け

 村田選手が5月に挑んだ世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王座決定戦では、「不可解な判定」によってアッサン・エンダム選手(フランス)に敗れました。

 4回に右ストレートでエンダム選手をダウンさせ、圧倒していたようにも見えたのですが、2-1の判定でエンダム選手がチャンピオンになったのです。

 ボクシングの世界では、判定を巡る騒動がたびたび起こります。世界タイトル戦では、基本的に中立国から派遣されたジャッジ3人が採点します。問題は、どんな人がジャッジをやるのか、です。

 日本ボクシングコミッション(JBC)顧問で、世界戦のレフェリーやジャッジを100試合以上経験した森田健さん(82)は言います。

 「日本やメキシコでは国内の試合から経験させ、ジャッジを育てます。我々の時代は『世界戦を裁くには10年かかる』と言われました。ただ、そうではない国があるのです」

 森田さんによると、ボクシング愛好家の大学教授や、体育系の上級の公務員が、名誉職としてジャッジを務める国があるそうです。「素人とは言わないけど、専門家とも言えない人がいる」と森田さん。だから議論を呼ぶのです。

採点基準に地域差も

 世界の大半のジャッジは相手にダメージを与えるクリーンヒット(有効打)を重視して採点しますが、中には軽いパンチでも手数を評価する人もいて、採点基準にばらつきがあります。

 地域差もあるそうで、現役レフェリーの福地勇治さん(57)は「米国でもニューヨークなど東海岸は手数派、ビッグマッチの開催が多いラスベガスを含む西海岸はクリーンヒット派が多い。アジアも各国で違う」と話します。

 5月の試合で、村田選手は明らかに有効打で上回りましたが、2人のジャッジはエンダム選手の手数を支持しました。7月にも、フィリピンの英雄マニー・パッキャオ選手が豪州で判定負けした試合が物議を醸し、フィリピン政府機関が再採点を求める事態にもなりました。

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最終更新:10/31(火) 7:01
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