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焦点:白人男性が主流、多様性に欠くトランプ政権の官僚機構

10/29(日) 9:34配信

ロイター

Jason Lange

[ワシントン 20日 ロイター] - 新政権が発足した1月に、閣僚に女性やマイノリティが少なすぎると権利擁護団体から批判を受けたトランプ大統領は、官僚機構全体においては、最終的にダイバーシティ(多様性)を実現すると約束した。

だが、それから半年かけて、政治任用の対象となる1000人を超える上級官僚の任命を終えた時点での、トランプ政権全体の性別や人種構成はどう変わっただろうか──。

最近公開された公式データによれば、政権幹部レベルと似たり寄ったりだ。つまり、白人の男性がほとんどなのだ。

米連邦政府の人事管理局データをロイターが分析したところ、共和党トランプ政権が任命した政治任用職の88%が非ヒスパニック系の白人で、62%が男性だった。

参考までに、民主党オバマ前政権の最終年度では、非ヒスパニック系白人の割合が67%、男性は47%と、米国全体の人口構成に近づいている。2016年国勢調査のデータによれば、非ヒスパニック系白人は61%、男性は49%だ。

「現政権はこれまでのところ、直接的な意味で、多様性をまったく重視していない」。政府機関職員の任命状況を調べている超党派のパートナーシップ・フォー・パブリック・サービスのマックス・スティア―代表は、ロイターの分析結果を見て、そう述べた。

トランプ政権の閣僚級幹部24人のうち、白人男性は17人に上る。

ホワイトハウスのリンゼイ・ウォルターズ報道官に上級官僚の人事データについてコメントを求めたところ、トランプ氏はこれまで長年にわたり女性登用に力を入れてきたと述べ、先週、カーステン・ニールセン次席補佐官を国土安全保障長官に任命した例を挙げた。

「トランプ大統領は今後も引き続き政権の要職に女性を登用し、権限を委ねるだろう」と同報道官は言う。政治任用職における民族的多様性を巡るトランプ氏の見解については、言及を避けた。

大統領就任の前日だった1月20日、当時の大統領報道官を務めていたショーン・スパイサー氏は、閣僚構成に対する批判について、人事決定は能力ベースで行われており、連邦政府の官僚機構全体における人事では、多様性の要求は満たされるだろうと述べていた。

「政権全体における多様性の水準を見れば、高く評価されることになるだろう」とスパイサー氏は記者たちに語った。

9月末に発表されたデータによれば、「スケジュールC」「ノンキャリア上級管理職(SES)」と呼ばれる上級レベルの政治任用職は、6月の時点で1091人に達している。

このレベルのポストにその後、何人が任命されたのか、また、それによる構成の変化については、第3四半期のデータが発表される今年末に判明する。

<重要なつなぎ役>

これらのポストには、局長、補佐官、政策専門家に加え、閣僚級の長官・副長官などのトップ政治任用者が採用する秘書などが含まれる。こうした上級官僚は、政府首脳と、複数政権に仕えることの多い200万人を超えるキャリア公務員とを結びつける役割を果たす。

ここ数十年、こうした上級レベルの政治任用職は、政権交代で刷新される4000人ほどのポストの約半分を占めていた。さらに上位のポストについて、連邦政府の人事管理局はデータを公表していない。

人事管理局のデータは、ジェンダー別の数字公開が1998年以降のみ、民族別は2006年以降のみで、過去2政権分しか比較できない。

トランプ政権における上級官僚グループの特性は、共和党支持者におけるマイノリティ比率の低さ、そして共和党と多様性やジェンダー平等を推進する組織とのつながりの弱さを反映している、と一部の政治アナリストは主張する。

大統領による任用職について研究しているバンダービルト大学の政治学者デビッド・ルイス氏は、「こうしたテーマを軸に組織を作って共和党と連携している人が少ない、というだけの話だ」と語る。

実際、トランプ政権のデータは、直近の共和党政権だったジョージ・W・ブッシュ大統領当時のデータと類似している。ブッシュ政権について人事管理局の性別や人種、民族構成データが存在するのは2006─2008年だけだが、上級官僚の60%は男性であり、非ヒスパニック系白人と自己規定している人は88%だった。

だがその後の10年で米国全体における多様性が高まったため、トランプ政権における上級官僚の構成は、ブッシュ政権時代に比べ、米国全体とのかい離が拡大している。

ブッシュ政権の最後の年となった2008年、人口全体に占める非ヒスパニック系白人の比率は65%だった。国勢調査のデータによれば、現在この比率は4ポイント低下している。

ピュー・リサーチ・センターによれば、共和党の登録有権者のうち、非ヒスパニック系白人の比率は2008年には88%だったが、2016年の大統領選直前には、86%に微減となった。

米国の就業者全体に占める女性比率も、ブッシュ時代より大きくなっている。だが、トランプ政権の上級官僚ポストにおける女性比率は38%で、2001─2008年の平均だった40%よりもやや低い。クリントン政権末期である1998─2000年の人事管理局のデータでは、その比率平均51%と半数をわずかに上回っていた。

(翻訳:エァクレーレン)

最終更新:10/31(火) 11:59
ロイター