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世界記憶遺産 慰安婦資料登録巡り「歴史戦」過熱

2017/10/29(日) 14:17配信

聯合ニュース

【ソウル聯合ニュース】「世界の記憶(世界記憶遺産)」を創設してから25年を迎えた国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、再び東アジア3カ国による「歴史戦」に巻き込まれた。

 世界記憶遺産は世界史や世界文化に大きな影響を与えたか、史料的な価値が高い記録物を保存するための事業で、1992年に始まった。

 世界記憶遺産は世界遺産と無形文化遺産と共にユネスコの三大遺産とされるが、権威や位置づけは低い。英語名称にも「遺産(heritage)」は込められていない。

 注目度が低かった世界記憶遺産は2015年ごろ、中国が旧日本軍による南京大虐殺に関する資料と慰安婦関連資料の登録を申請し、関心を集めた。当時、日本政府は遺憾を表明するなど強く反発した。

 各国が申請した世界記憶遺産候補の登録審査を行う国際諮問委員会(IAC)は専門家14人の委員(任期4年)で構成され、隔年で開催される会議は非公開で行われる。IACが登録の可否を巡る審査結果をユネスコに提出し、事務局長が最終決定する。

 今回、韓国や中国、日本、台湾など8カ国・地域の団体が共同で申請した慰安婦関連資料を審査したIACの会議内容も公開されていない。

 日本メディアはIACが26日(現地時間)の会議で、慰安婦関連資料の登録の判断を見送ったと報じたが、韓国の政府当局者は「まだ審査が進められており、客観的な審査を受けられるよう努力を続けていく」との立場を示した。

 IACの審査結果は公開されていないが、専門家らは登録の判断を見送った可能性があるとみている。最終決定は事務局長が行うが、事務局長がIACの勧告を受け入れなかった前例はほとんどなく、慰安婦関連資料の登録は不透明な状況だ。

 事前審査を行う登録小委員会で「代替不可能で唯一の資料」として、世界記憶遺産の価値が十分あるとの評価を受けたとされる慰安婦関連資料が登録されない場合、ユネスコは日本の圧力と外交戦に屈したとの非難を免れないとみられる。

 日本政府は15年から世界記憶遺産制度の改善を主張してきた。今回のIAC前に開かれたユネスコ執行委員会は事実関係や歴史認識で意見が異なる場合は当事者間の話し合いを促し、合意に至るまで審査を保留するとの内容が盛り込まれた改革案を決めた。事実上、日本政府の働きかけが反映された結果だった。

 改革案には世界記憶遺産の申請後、最長で4年間話し合いを促すと明示したが、話し合いの結果を判断する主体や調整者に関する内容がなく、議論を深める必要があるとの指摘が出ている。

 韓国の学界関係者は「ユネスコは米国が脱退し、最大の分担金拠出国となった日本を意識せざるを得ない」として、「今回、慰安婦関連資料が登録されなくても外交戦を続け、登録を決めなければならない」と述べた。

最終更新:2017/10/29(日) 14:20
聯合ニュース