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日本にも昔から“ハロウィーン”があった!

10/30(月) 16:46配信

東スポWeb

 台風の接近で28、29日に予定されていたハロウィーンのイベントは中止が相次いだ。31日は全国的に好天に恵まれそうだが、火曜日なので夜通しの盛り上がりとはなりそうにない。

 1990年代後半に東京ディズニーランドがハロウィーンを日本に広めたともいわれるが、実は日本にはもっと前からハロウィーン似の風習があった。長崎県五島市の富江地区の行事「芋巡り」だ。

 中秋の名月、ふかしたサツマイモを求めて子供が「芋はまんだかな~(=まだかな?)」と地区の家庭を回る。ハロウィーンの「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ」にそっくりだ。

 芋巡りが始まった時代は不明だというが、富江生まれの田中陽子さん(70)は「物心ついたころにはあった」と話す。芋は最初にお月様、次に神様、仏様にお供えした。サツマイモ農家がたくさんあったため、収穫に感謝する意味があるという。

「92歳になる私の母は『電気もなくて、月の光もありがたかった』と言ってますから、お月様に感謝をささげたんですね。もうサツマイモ農家はないけれど、風習は残っています」(田中さん)

 当時の子供は「テボ(かご)」を手に「芋はまんだかな~」と回った。まだ月の出ていない夕方は「(準備が)まんだよな~(まだだよ)」と大人は返したという。

 現代の子供たちが持つのは大きなビニール袋。最近では芋以外にお菓子も用意され、どの子も袋をパンパンにする。「とてもかわいくて楽しみです」と話す田中さんだが、集落は少子化で、小学校は全学年で三十数人。「私のときは1学年に150人いたのにねぇ」

 富江では、大みそかに包丁を持って樽を背負った鬼(面の青年)が家庭を訪れる「タアカリドン」という秋田の「ナマハゲ」似の風習もかつてはあったが、途絶えてしまったという。

「『言うこときかん子おらんか』と鬼が言って、子供たちは樽に入れられて連れ去られるのが怖くて泣いて叫んだもの。芋巡りは私が元気なうちはずっと続けます。都会の人にも知ってもらいたいですね」(田中さん)

 コスプレで盛り上がるのが主流となったハロウィーンだが、食べ物、生産者への感謝も少し思い浮かべてみては。

最終更新:10/30(月) 18:05
東スポWeb