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モクズガニ漁で入札 冬の味覚、大正時代からの慣例 奄美市住用町西仲間

10/30(月) 13:00配信

南海日日新聞

 奄美の冬の味覚として知られるモクズガニの漁業権をめぐる入札が旧暦の9月9日に当たる28日、奄美市住用町西仲間集落の公民館であった。集落民7人が参加。住用川と支流と合わせ計12カ所の入札が行われ、入札価格は昨年より1万6250円低い2万6252円だった。西仲間集落の屋宮和弘区長(75)は「カニ漁はいつまでも守っていかなければならない風習。残していきたい」と話した。

 屋宮区長によると、モクズガニ入札は集落民のみが参加できる。旧暦9月9日に行う慣例が大正時代から続いているという。漁の期間は来年3月までだが、通常は旧正月までが最盛期。

 入札は午前7時に始まり、15分で締め切った。参加者がそれぞれ思い思いの場所と入札額を記入して箱に投入後、箱から取り出して札を開いた。4カ所の漁業権がある住用川は大川1~4の番号が付けられ、競合した場所はじゃんけんで決めた。入札結果は集落放送で知らされた。

モクズガニは西仲間の方言では「ターンガン」と呼ぶ。ターンはサシバ(ワシタカ科)の意味がある。越冬のため、サシバが渡ってくる頃に取れるカニで、モクズガニ漁は奄美の冬の風物詩となっている。

 上海ガニと同じイワガニ科。体長10~15センチで、はさみと足に毛がある。濃厚な味が特徴だ。塩煮にする調理方法や殻ごと砕いて、エキスを弱火で調理する「フヤフヤ」と呼ばれる郷土料理もある。

1992年から残されている記録では98年の18万4210円が最高入札価格。屋宮区長は「河川工事などの影響で捕獲量も少なくなった。以前は一晩で数十匹捕れたこともあったが、今はかごに10匹入ればいいほう。参加人数も入札価格も年々減少している。なくしてはいけない文化。若い人たちにも伝えていきたい」と話した。

奄美の南海日日新聞

最終更新:10/30(月) 13:49
南海日日新聞