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「地元が潤っている」外貨両替機設置広がる 外国人客少額の買い物便利に 福岡県内

10/30(月) 12:09配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 福岡県内の観光地で外国人観光客による外貨両替機の利用が広がっている。外国人が日本円で手軽に買い物ができるよう、地方銀行が相次いで設置を進めており、特に小規模商店の売り上げ増に一役買っている。

 外国人観光客でにぎわう太宰府天満宮。土産物や名物の梅ケ枝餅店が並ぶ参道の入り口に西日本シティ銀行(福岡市)の外貨両替機がある。韓国人女性(30)が1万ウォン札を入れると、九百数十円が出てきた。その間、約10秒。女性は「こんなに速いなんて便利」と目を丸くした。

 西シ銀太宰府支店の駐車場にある両替機はアジアを中心に12通貨に対応する。パスポート提出や書類記入などは不要で、午後7時まで利用可能。

 クルーズ船の到着後などは、10人を超える行列ができる。参道で土産物店を営む60代の女性は「お菓子や小物など500円ぐらいから売れる。本当に助かっている」と喜ぶ。

「両替機で地元が潤っている」

 きっかけはクルーズ船による中国人観光客の急増。太宰府天満宮にも観光バスが大挙したが、単価が小さい商品を扱う土産物店などの多くは、手数料が必要なクレジットカードには対応していない。日本円を持たない中国人は買い物ができず、商店からも困惑の声が上がった。

 西シ銀太宰府支店長だった小湊真美広報文化部長は「11年ごろから買いたくても買えず、売りたくても売れない状況が出てきた」と振り返る。本社に外貨両替機の設置を要請したが、防犯面などの課題をクリアするのにも時間が必要で、14年9月に初めて、支店内に設置された。

 設置後は店内が外国人でごった返し、業務に支障が出るほど。15年10月に駐車場に移設、機械も2台に増やした。菅田豊支店長は「両替機で地元が潤っている」と効果を語る。

日本人の利用も増えている

 同行は太宰府を皮切りに、福岡市内の外国人観光客の動線沿いに設置を進めた。現在は博多港中央ふ頭▽キャナルシティ博多▽天神地下街▽JR博多駅前の本店営業部▽大名支店-で計7台が稼働する。

 案内マップをホテルなどに置き、フェイスブックやツイッターに操作動画を掲載。利用は月5千件程度に上る。8月は中国元が49%を占め、米ドル(25%)、韓国ウォン(16%)の順に多かった。

 天神と本店、大名では、日本の紙幣を外貨に換えられる双方向型の両替機を導入し、日本人の利用も増えている。「福岡市近郊の外貨両替ニーズが多いエリアはほぼカバーできた」(国際部の深田浩章主任調査役)として、今後は必要に応じ、新たな設置を検討するという。

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